参議院選挙

 今日は参議院選挙の投票日である。あと十数時間もすれば今回の選挙結果が明らかになるだろうし、今後二年ないし三年間の国政の有り様も見えて来るであろう。 投票日の二日前になって多くのメディアは世論調査結果として与党の不利と野党の上げ潮という結果を伝えている。 そしてその世論動向をもたらしたものは”消費税論議”であるとも伝えている。これらのマスコミ論調や世論調査結果は正しいのであろうかと考えさせられ


 国民は迷っていると思われる。迷いの結果が世論調査結果にも現れていると思う。
規制撤廃・新自由主義派、セイフテイネット再構築・市民民主社会主義派、鳩山総理を支援しきれなかった民主党、異分子を排除したかに見える自民党、出自が市民運動であるだけでその実上昇志向の強いリアリスト現総理、大河ドラマと洗剤CMのパクリを行って恥じない民主党、いまどきイチバンなどと吠える自民党etc、etc
 前総理に関する政治資金問題は資産家の政治私物化ともいえるものであるが、その政治資金(私金)に群がった政治家たちが不問のままである。 前幹事長にまつわるカネの問題は、蓄積された不透明な資金のマネーロンダリングとも云えることであり、井戸塀の対極に位置する政治家像のありきたりなさを突き詰めるものとはなっていない。
 言い換えれば、ダーテイな鳩かクリーンな鷹かという不滅の選択肢なのであり、おボッチャマ金持ちに群がった薄汚いアリどもの洗い出しという作業が残されているのである。
 選択肢が限定される小選挙区制度のなかで、旗幟不鮮明な党派選択を迫られて迷っているのが選挙民である。財政破綻は現実のものであり消費税率アップが避けられないと自覚するものの、手厚い年金に保護される高齢世代、一方でなんのセイフテイネットもない高齢世代、派遣から脱出する術を奪われた青年層はいまや壮年層世代、富める者が富める子弟を再生産する仕組みのなかで、そこから弾き出されている貧しい世帯。(鳩山前総理などは典型的な富める世帯の再生産構造である。)
 
 富める世帯、規制撤廃新自由主義、所得税率緩和・消費税アップ一派と、貧しさの縮小再生産に陥っている派は共にまだ社会の多数派を形成してはいないが、中間に位置する多数層(派ともいえない)は富めるグループへの上昇志向は持つものの一向にそれが叶う見通しが得られず、逆にその日暮らしに転落する不安に常に怯えている。
 この社会の多数派を形成する(べき)旗印が見つけられないなかで、市民は分離・分割・分断されて迷いの深みに落ち込んでいる。だから選挙結果も世論調査も大きくぶれるという現象が現れているのだと思うのである。
 今回の選挙結果はあと十数時間で判明するが、政界やマスコミ界ほどには愚昧でない、いいえ賢明とも云える判断を選挙民が示すことができるだろうかと思っている。
 それは辛うじて参議院過半数を上回る議席を与党連合(民主、国民新、社民)に与えることにより、今しばらく現体制を維持させ続けさせてみる。ただし、安定多数は与えず社民党の閣外協力で統治が進むという選択である。 衆参逆転現象も悪くはないが、今の与野党の統治能力からすれば、不毛のネジレ抗争に明け暮れるか、野合的連立もしくは大連立という悪夢に走るのが関の山である。 そういった意味で、日本人の政治社会的習熟度が試されている参議院選挙だと思っている。
 叶う見通しは殆ど無いけれど、参議院というものはかつて存在した緑風会があるべき姿であろうと思われる。 任期六年、再選は認めるが三選は認めない。衆議院既成党派所属を認めず原則無所属、国務大臣就任は認めない。最大の役目は衆議院議決の是正であり、決算承認を責務とする。 早い話が、総理大臣経験者は参議院に移籍し、無党派無所属議員として国政を監視する、いわば横丁の辛口ご隠居として政治責任を全うするという姿が好ましいと思われるのだが、如何なものであろうか。
 センセーショナルともアジテーションとも云える薄っぺらな愚民視傾向の上から目線マスコミに惑わされずに、「政治とは、限られた財源・資源のなかで、優先順位を選択する。」という行為なのだと多くの国民市民は気づいていると思えるし、その程度の成熟度は獲得していると思えるのである。

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