03/16長門路

03/16に山口へ参りました。 山口県士協会のお招きで、地理情報と鑑定評価並びに新スキーム改善問題について、午後の三時間半を費やしてお話しさせて頂きました。 地理情報と新スキームがなぜ関連するのかから始まり、地理情報即ち緯度経度情報を活用することが、鑑定評価の将来をどのように拓いてゆくのであろうかと、茫猿が日頃考えていることをお伝えして、REA-MAP及びMAP-CLIENTへのご支援をお願い致しました。

鑑定業界はマイナスのスパイラルが長く続いていますが、もうこのあたりで、マイナスの連鎖に終止符をうちプラスのスパイラルに変えてゆかねばならないと考えます。 インターネットにおける情報というものの有り様を考え、二極分化の著しい鑑定評価業界のなかで、余力のあるあいだに新しい業態や、社会との係わりを新しい方法で模索してゆかねばならないなどと、思い描いていることをお伝え致しました。

お話ししたことや質問を受けましたことは、最近の記事、「公的土地評価・事例資料等取扱基準案」、「鑑定士の鮮度」や「鑑定士の鮮度-2」そして「新スキーム改善問題Q&A」に記していますから、重複は避けます。

前回2009.02の山口訪問の折りにいただいた 『NSDI-PTによる地理情報活用や、REA-JIREI、REA-MAPなどは、結局のところ東京をはじめとして県外からの閲覧に便宜を図ったり、都市圏に事例を供給することではないのか?』という質問について、確かなお答えを未だ持ち合わせていない茫猿ではございますが、資料の囲い込みに終始すれば資料の非正規利用を招くだけであり禁酒法時代のシカゴと同じことだと考えます。

一見して他者に便宜を図るように見えても、実は自らのアドバンテージを強化する方向に進みたいと考えます。ひたすらクローズの道を歩めば、より大きな力に遭遇した時に抗しきれないでしょう。 如何に鎖国の道を歩んでも開国の黒船力がより大きくなるだけであり、現場に密着し精通するという自らの優位性を増強することにはならないと考えます。 なによりも閉鎖すれば業務機会が地方にやってくるという保証は何処にもないのです。

岐阜羽島駅から新山口駅へ向かう途中、乗車したひかりが新大阪以降は各停に変わりますことから、新神戸駅でのぞみに乗り換えたのですが、乗車したのぞみは新山口駅を通過するというので、広島駅で後続の列車に乗り換えるために途中下車しました。 するとホームにはカメラを抱えた人たちがホームの端で三々五々場所取りをしています。 新幹線100系と300系のさよなら運転と遭遇したのです。 せっかくのさよなら運転ですが、広島駅到着を待ちますと、山口での約束時間に遅れてしまいますので、心惹かれながらも次にやってきたのぞみに乗って新山口駅へ向かいました。

新山口駅前(旧小郡駅)では、種田山頭火像が出迎えてくれました。像に刻んである句は、『まったく雲がない 笠をぬぎ』です。

その夜の小郡の酒場にて、話題は山頭火から金子みすゞに及び、鰯の大漁に湧く浜と、とむらいに悲しむ海のなかとの対比が何やら我が業界を暗示しているなどという哀しいオチまでつきました。 山口といえば中原中也も山口の生まれです。 凡人には真似ることもできない激しくも哀しい三詩人の生涯です。 今回の長門路は翌日に別の目的をもっており、三詩人の足跡を訪ねることはできませんでしたが、いつの日にか三詩人の跡をたどり萩の町や山口線で津和野へも行きたいと願っている茫猿です。

帰りきた鄙の陋屋では彼岸の入りを迎えて、主の留守のまに春椿や藪椿が花開いておりました。

まんさくは花盛りです。

サンシュユも満開近しです。

 

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