秋・鄙里

昨日の投稿で、我が鄙里の主《あるじ》たちに、彩りが乏しいなどと申し訳ないことを云った。 茫猿の目線を転じてみれば我が鄙里は秋たけなわなのである。 茫猿は陋屋の木々、草花、野菜たちを主と考えている。茫猿はそれらの主たちの下僕(しもべ)なのである。 声なき彼等の声を聞き、様子を伺っては枝を払ってやり、耕し、水や肥料を撒き、時におこぼれをいただいて眼で舌で時に鼻や耳で味わっている。 鄙里に生きる陋屋のあるじは彼等なのであり、茫猿は彼等に仕える下僕なのであり、仕え方が拙いと機嫌を損ね、おこぼれも頂けないことになる。

一日明けた金木犀は香りが増しており、老鼻にも嗅ぎわけられた。 眼をさらに上に転じると赤い実が見える。楠に似ているが名前は知らない。鳥が運んだのであろう実生である。眼を地表にやると、千両の実も赤くなっている。万両の実はまだ青い。金盞花もまだまだ楽しませてくれる。

茄子も、シシトウもまだ花をつけている。 もちろん、小ぶりながら実もつける。

この季節最初の一輪の花を椿も咲かせていた。 白地にほのかなピンクが混じる花である。

色付いてきた蜜柑や柿の木の下ではイヌタデが花の絨毯を作っている。
屋根棟には二羽の雀、木立のなかでは名も知らぬ鳥たちの鳴き声が喧しいくらいである。

昨日の芍薬の株分けに続いて、今日は牡丹を植え替えた。床を耕し、腐葉土を混ぜた土を入れ替えたから、来年の花は楽しみである。 これで秋の畑仕事は一段落する。晩秋初冬ともなれば剪定や下枝下ろし、蕎麦蒔きの準備などが始まるが、それまでは束の間の秋を楽しもう。

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