鄙からの発信:2,800号

「鄙からの発信」掲載記事数が本稿をもって2,800件に達した。1999年01月10日に初稿を発信して以来、17年と6ヶ月での到達件数である。毎月13本強の記事を発信してきたこととなる。2,800件と云っても多くは駄文であり埋め草記事だってある。そんなに威張れた2800でもないし、筆者自身が自信を持って世に問えるような記事は僅かである。いや、僅かと云うのも自賛であり、見る人読む人からみれば皆無なのであろう。植木等風にいえば「カーイタ、キージが2800ポン」と云うことであろうか。《植木等が出てくるあたり、茫猿も古いね!》

何はともあれ「継続は力」とも云うから、二十年目を迎える2018年頃には3,000号を数えていたいものだと思っている。その時まで元気でいればの話に過ぎないけれど。

この間、初期を除けば投稿件数ゼロという月は無い。月間の最大投稿件数が40件を超える月もある。毎日、仕事を終わってから、せっせとタイピングしていたのであろう。最初は茫々たる鄙里に住いする田舎猿(茫猿は申歳生まれ)を卑称して茫猿と称していたのであるが、今や名実共に茫猿《呆け猿》と化している主宰者である。サイトの名称だって「鄙からの発信」から「鄙からの発信・残日録」へと転じているのである。

2005年09月の月間投稿件数は43件である。この月は鑑定協会新スキーム整備委員会第三WGに所属して鑑定協会ネットワーク整備に着手していた時である。新スキーム導入問題で斯界が上へ下へと揺れていた時でもある。
2006年06月は月間投稿件数が46件で、最大投稿件数を記録している。この月は新スキーム体制整備合同特別委員会第二WGにてREA-NETやREA-INFOの構築に汗を流していた時である。週刊ダイヤモンド誌に「不動産鑑定に潜む大きな疑惑」と題する記事が掲載された時でもある。同時に情報委員会で地理情報システム構築にも関与し始めていた。

「鄙からの発信」は創刊当初の経緯もあり、土地取引悉皆調査《不動産センサス》、有機的ネットワーク構築、そして地理情報《GIS》をテーマとして追いかけてきた。その経緯は「昨今のiNet状況と鑑定評価−1及び2 投稿日: 2016年6月23日」記事にてふれたことでもある。

そこで本稿では過去を振り返るよりも、最近の「鄙からの発信」の傾向、といってもGoogle Analyticsから読み取れる読者層の傾向について述べてみたい。

Google Analytics はGoogleが提供するWeb解析アプリである。一日あたりの訪問者数、トラフィックの種類、訪問時の平均滞在時間などが解析される。他にも幾つかのカスタマイズができるようだが、茫猿のWeb力では標準レポートが限界である。

最近一ヶ月間《2016/06/04-2016/07/04 》の訪問者数は2,359、ページビュー数は4,418である。一日あたりの訪問者数は31〜144《平均79》である。少ないのは土曜日と日曜日、多いのは月曜日と金曜日である。「鄙からの発信」読者の多くは土日がお休みと云うことである。往時に較べて訪問者数は随分と少なくなったが、それでも旬を過ぎたサイトにしては結構な数の方に訪問して頂いている。

トラフィックの種類別の 訪問数はorganicが44%、referralが28%、directが28%である。organicとは、検索エンジン経由のユーザーを指す。あるキーワードで検索を行い、検索結果で「鄙からの発信」記事を見つけたということである。一方、referralとは、あるウェブサイトからのリンクをたどってやってきたユーザーを指し、SNS経由や他サイトの紹介記事経由の読者を意味する。directは、直接やってきたユーザーを指す。多くは、ブックマークや”お気に入り”に「鄙からの発信」URLを登録されている読者である。

訪問者の三分の一はモバイルであるが、多数派はPC経由である。土日にアクセス数が少ないのも頷けるところである。市区町村別の訪問者数をみると、多いのは大阪市、岐阜市、新宿区、横浜市、名古屋市、港区、京都市、千代田区、世田谷区などである。

訪問時の平均滞在時間は0.5〜3分である。短いように思えるが、これには訳がある。滞在時間とは特定のページ(コンテンツ)にユーザーが訪問し、閲覧を開始してからどのぐらい滞在していたのかを計測する時間であるが、厳密には少し異なる。Google Analyticsでは読者が閲覧を開始した時刻から、離脱する際に最後に居たページに入った時刻の差を
滞在時間としている。

なぜ、こんなおかしなことになるかと云えば、アクセス解析ツールはユーザーが行う『リクエスト(ウェブサイトのコンテンツの中にあるボタンのクリック)』を区切りとして時間を計測することしかできないからである。つまり、サイトからの離脱という行動は、どこもクリックしていないため、Google Analytics はそれを計測することはできないのである。

つまり、SNS経由でやってきたreferral読者は、目的記事を直接開き、読了後離脱する。次の記事をリクエストしないから、滞在時間はゼロと計測される。ブックマーク経由のdirect読者は複数の記事を読んだとしても、最後の記事滞在時間は計測されない。さらに、滞在時間が全体像を示していないのは滞在時間が平均値だからである。平均化することにより、半数近くを占めるorganic読者を含めての平均値しか示していない。organic読者はある単語をキーとして検索した結果として「鄙からの発信」にやってくる。

一般的な興味を引きそうな記事を掲載することなど全くと云ってよいほどない「鄙からの発信」である。organic読者の意向に添う記事であることは稀であろうから、直ちに離脱するであろう。多くの場合に滞在時間は数秒間ということであろう。それら全てを引っ括めての平均滞在時間であるから、茫猿にとってはこの数値にあまり意味は無い。

これら標準的解析の他にも、Google Analyticsは読者の新規とリピーターの区分、セッション間隔、読者の年齢層、性別、ブラウザー、OS、プロバイダなどを解析できるが、本稿の主旨にそぐわないし、あまり意味あることとも思えないから割愛する。なお、読者の性別はMALEが85%、FEMALEが15%である。圧倒的に男性上位であるが、女性の読者が訪れてこないと云うことでもないのである。

冒頭にも触れたことであるが、「鄙からの発信」で多少なりとも誇れることがあるとすれば、それは18年間2800号に達するまで続けられたと云うことである。続けることができた我が身の健康と日々の平穏に感謝するのである。同時に技術的に支えてくれた息子たちにも礼を伝えておく。そして何よりも、長いあいだ「鄙からの発信」に立ち寄って頂いた読者諸兄姉にお礼を申し上げます。十八年間も健康に過ごし、支えてくれる身内があり、折々に気に懸けて頂ける読者の皆様に恵まれた幸せは、有り難く何ものにも代え難く感謝します。

《追記》
継続は力と云いましたが、世の中には上には上があるもので、丸12年間一日も休まず更新を続けている方がいる。不動産鑑定士・堀田勝己氏こそがその方である。12年間、更新を続けたサイトとは「利酒日記」であり、「K氏の葡萄酒的日常」である。茫猿はワインを嗜まないので同サイトの「別室サイト:時事ネタコラム」を愛読させていただいている。また彼の不動産鑑定士としてのオピニオンサイト「鑑定士ネット」は1999年12月開設であるが、最近の更新はいささか間遠なのが気掛かりである。

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鄙からの発信:2,800号 への2件のフィードバック

  1. 福田勝法 のコメント:

    一口に、”17年と6ヶ月、2800号”とおっしゃいますが、この間の体調管理、継続する志に敬服いたします。本号でお触れになっている、「鑑定協会新スキーム整備委員会、同特別委員会第二WGでのREA-NETやREA-INFO、地理情報システムの構築」のご報告の一行一行に当時の先生の思い、意気込みを感じたのは、小生のみではないと思います。
     3000号とおっしゃらず、未だ未だ、良き友、良き酒、良き肴で構想を練られ、様々な、情報発信をお待ちしております。
     益々のご健勝とご健筆をお祈り申し上げます。

  2. Nobuo Morishima のコメント:

    福田様 早々にコメントを頂き有り難うございます。今や業界の外から不動産鑑定評価 を眺める身ですが、業界外であればこそ見えてくることもあろうかと思っております。時折は「鄙からの発信」にお立ち寄りいただければ幸いです。また、貴兄が斯界のために益々ご尽力頂きますよう、草深き鄙より祈念致します。

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