台風21号の顛末

台風21号は風に流された2500tタンカーが関空連絡橋を破損するなど、大阪湾周辺に大層な暴風被害を残していった。当地も台風の進行方向右側に位置し、相当の強風に見舞われた。岐阜市での最大風速が40m/sだから、遮るもののない平野部の当地では40m/s以上の風速だったと思われる。

台風は久しぶりに昼間に襲来し、徳島、淡路、神戸、能登半島という経路を足早にたどっていった。我が家付近で最も強風に襲われたのは午後2時頃から4時頃まで、風がおさまってから雨が激しくなり、夕刻から停電にもなった。深夜になってから灯りのない中で予想外の雨漏り対策に追われた。主屋の座敷が雨漏りしたのである。タライや鍋を幾つも並べて垂れる雨雫を受けていた。

今朝になって、納屋の二階から雨漏りしたと思われる主屋の屋根を眺めて見たら、瓦が何枚も飛ばされている。強風の後に雨だったから雨漏り被害も比較的軽微だったが、雨量が多ければ座敷は悲惨なことになっていたことであろう。

台風21号の後始末は久しぶりに大ごとだった。大屋根には恐る恐るながらまだ昇れたが、屋根棟からの見晴らしを楽しむ余裕は無く、汗とも冷や汗とも区別つかない汗をたっぷりかいた。

割れた瓦を下ろすのにも、修理用の瓦を持ち上げるのにも、バックパックを使ったら、これがとても有効だった。両手が空くし、滑る足元を確かめつつ屋根の上を歩けるから安全でもあった。瓦を差し替え、ズレているところを木槌で整えるなどの作業を約1時間、まだまだやれるもんだ。

《2018/09/06 追記》
屋根の破損瓦は応急処置的に差替えたけれど、屋根全体に各所で瓦がズレたり浮いたりしているので、あちこちからの修繕依頼で多忙を極めている顔馴染みの専門業者に点検などを依頼した。

台風被害は屋根瓦破損の他に、野菜畑被害(ササゲの支持竹の倒壊、茄子やシシトウの倒壊)、ミカンの倒壊、さらに雑木林の楠、楓、メタセコイアなどの枯れ枝、折れ枝が畑にも多く吹き飛ばされてきている。雑木林や池は足の踏み場も無いくらいに多くの枝が散っている。倒木もある。農小屋の壁も損壊した。

これらの作業は一度気にはできないので、体調と相談しながら少しずつ片付けてゆくこととする。

被害は我が家だけでなく、近隣の少なからぬ家でも瓦が飛んだり、飛び込んできた飛来物で瓦や雨樋が割れたり車が傷ついたりしている。最も被害額が大きそうなのは氏神様である。高台の境内地にあった社殿が台座部分を残して吹き飛ばされて全壊した。玉垣も大きく破損している。

小さな社殿ではあるが、それでも新たに建造するとなれば相当な金額となるであろうと思われる。その建築費を数十名の氏子で負担しなければならないから、大変である。小規模な建売住宅地の開発などで、近年になってほぼ倍増した住民のほぼ全戸が氏子に加入しているけれど、高額の建築費の負担を依頼するとすれば一筋縄ではゆかない話となるだろう。茫猿にしてからが、奉加帳が廻ってきたとして金額にもよるけれど、喜んで応分のという訳にもゆかない。(偶々に)宮総代の職にある人たちの苦労が今から察せられる。

《注釈》新たに住民となった多くの家=新住民は、お宮の氏子加入には好意的であるが、お寺の檀家加入にとても消極的というよりも否定的である。理由の一つは、祭りへの参加が児童会行事に組み込まれており、就学児童が祭礼笛太鼓の練習に参加し、秋祭りには笛太鼓の奉納をすることにある。それに対して家庭内に児童はいても高齢者がいない新住民には葬儀や仏教への関心がとても低いし、お寺行事への参加意識も乏しい。また、両者の年間経費負担額の差も無視できない。お寺檀家の経常費負担額はお宮氏子のそれの三倍にも達している。

 

 

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