古今伝授の里

 古今伝授という話をご存じでしょうか。戦国の昔、細川幽斎(藤孝)が城を囲まれた時に、「古今伝授」が途絶えるのを憂えた時の帝の勅命により囲みを解かれたという史実があります。そのゆかしい古今伝授に係わる東常縁という中世の武人でもある歌人にゆかりの地が、岐阜県郡上市大和町にあります。


 先日も大和町を訪れ、蓋の写真を載せましたが、その蓋は古今伝授の里と記されています。古今伝授とは古今和歌集の解釈などを秘伝歌道伝授として連綿と伝えてゆくことを云います。東常縁(トウノツネヨリ) はその古今伝授の創始者と云われる室町歌人で、奥美濃郡上の武将です。
 郡上市大和町の栗巣川沿いの山あいには、中世に一帯を治めた東(トオノ)氏の館跡がフィールドミュージアム古今伝授の里として整備されています。緑深い一帯に文学館や資料館、レストラン、史跡庭園跡公園などが散在しています。
緑深いなかに所在する資料館

ガラス越しに池を望むレストランももちどり

資料館などのゾーンと庭園跡の間に流れる栗巣川

国指定名勝:東氏館庭園跡、石組みと池が芝庭の奥に見えます。

昼食をここのレストランももちどりでと思いましたが、一人だったのとフレンチがイマイチ好みではないので、古今伝授の里から少し北方にある「道の駅古今伝授の里やまと」に向かいました。其処は道の駅とお風呂があります。
やまとの案内標識

道の駅には吹き抜け天井が高くテラス席のあるオシャレなレストランがあります。フレンチよりはお手頃で気軽なのです。ももちどりに較べれば昼食ランチメニューが約六割程度です。人工水路には鯉の姿も見えます。

頂いたのは「奥美濃古地鶏のソテー」です。

オーダーした時に、地鶏ソテーは少しお時間を頂きますと断りを云われたのですが、構いませんと伝えたら、何と二十分以上待たされました。平日の昼のこと七割程度の客席が埋まっていましたが、鄙の堂守より後の二組の客には料理が運ばれてきても、私のところは音沙汰無し、少し焦れてきた頃に、申し訳ありません、もう少しお時間を頂きますとのご案内です。
 でも、久し振りに頂いた奥美濃古地鶏のソテーは美味しかったです。
ジンワリと焼かれたであろう皮はパリッと焼き上がり、肉はとてもジュウシイーで香り高く、適度な噛みごたえのある懐かしい味でした。付け合わせの温野菜も、付近で収穫されただろう十六ササゲ、ミニトマト、タマネギなどです。一時半の待ち合わせ時間が迫ってきたものですから、コーヒーもなし、スープも熱くて断念しましたが、鄙のパンにしては十分納得できる旨さといい、緑を渡ってくる風に吹かれながら、小川の鯉を眺めながら優雅に頂いて、それで940円は嬉しいお値段です。
【蛇足】
 そういえば、農林漁業団体職員共済組合が保有する虎ノ門パストラルは、昨年秋に森トラストに売却されている。今年と来年の総会はここで開催が可能だが、2010年以降は開催地の変更を余儀なくされるけれど、その頃の鑑定協会はどのような法人に転換していることやら。

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