2011.12.21 理事会開催日の翌日は富士吉田市にいました。 十月に熊本・三角線・A列車に乗車した時、このA列車のデザインを担当した水戸岡鋭治氏が富士急行の富士登山電車のデザインも担当していると知り、富士登山電車の乗客になってみたいと考えたのです。
08:30 新宿駅発中央線あずさ7号乗車、09:38大月駅着、09:45大月駅発富士登山電車乗車、10:37富士山駅着(旧富士吉田駅・11.07.01改称)という旅程を辿ったのです。
初冬の甲斐路富士紀行は、天候にも恵まれてとても佳い旅でした。 晴れて風なく穏やかな陽射しのなかで富士山を思う存分楽しむことができました。 中央線大月駅で連絡する富士急行大月駅フォームには富士登山電車(写真右)とフジサン特急が待っているのです。
茫猿が乗車した富士登山電車です。 (詳しくは富士急サイトへ)
A列車とは違い車内バーはありませんが、車内はオシャレ感が溢れています。
車窓の右に左に富士山を眺めながら、大月駅から河口湖駅までの26.6km。標高差約500mを登る電車です。 大月駅を出てまもなく田之倉駅を過ぎるあたりではリニア実験線もくぐります。 車輌連結部に暖簾がかかっているのも風情あり、なかには銭湯みたいだなどと言う方もあるとか。乗務アテンダントも美形な上に優しく親切です。
彼女に、「終点の河口湖まで行くのと、富士吉田で下車するのと、どちらがお勧め?」と尋ねましたところ、「河口湖は、いわゆる観光地ですが、富士吉田は浅間神社や吉田うどんがお勧めです。」 この彼女のアドバイスと笑顔に送られて、スイッチバック富士山駅で下車したのです。 写真は駅舎正面に鳥居が設けられている富士山駅です。(スイッチバック:電車はここで方向を転換して、河口湖駅へ向かいます。)
富士浅間神社北口本宮へ向かう金鳥居(カナドリイ)から眺める富士山です。 時間の関係から逆光になっています。 この金鳥居から先が浅間神社表参道で、御師の宿坊が続く町並みです。
御師宿坊の町並みでは、正面にずっと富士を眺めながら浅間神社に向かいます。
富士山駅を出てから金鳥居をくぐれば、富士山に向かって真っ直ぐの緩い坂道を辿ります。 それが富士山講・御師宿坊の町並みです。 参道沿いのあちらこちらに御師宿坊があります。それぞれに構えは一様ではありませんが、御師という表札に注連縄だけは皆一様です。(富士講についてはこちら)
陽射しが西へ傾くにしたがって、富士山は輝きを増してゆきます。もう暫く眺めていることができれば、赤富士を眺めることができたのかもしれません。
富士浅間神社、北口本宮。とても壮麗な造りです。
浅間神社参拝のあとは、吉田うどんです。「吉田うどんマップ」には61店舗が掲載されていますが、そのなかで偶々行き会った「麺許皆伝」さんへ伺いました。 いただいたのは竹輪天麩羅うどんです。かき揚げをいただきたかったのですが、かき揚げが売り切れということで選びました。 でもカウンターの相客にお尋ねしましたら、肉うどんが定番のようです。 吉田うどんの特徴は、一.麺がとても硬いこと(名古屋の煮込みうどんの硬さと遜色ありません)、二.麺ツユが醤油と味噌の合わせであること。(この味噌汁にも似た醤油・味噌合わせツユは意外にいけます。)、三.具材に茹でキャベツを用いていること。歯ごたえもあって相性の良い新しい出会いです。
農林水産省『郷土料理100選』に選ばれたという「吉田うどん」を賞味した後は、富士の湧水で仕込んだ天然醸造味噌屋・丸甲醸造に立ち寄り地味噌や「ほうとう」などを買い求め、河口湖へ向かおうか、もう一軒うどん屋さんに寄るかと思案しましたが、初冬の陽射しは早くも西日です。 そこで甲府から身延線経由で東海道新幹線新富士駅へと考えて、大月駅経由甲府駅へ向かったのですが、身延線は途中に崩落事故が発生し、代行バス運転中であり、特急は総て運休中でした。
下手をするとこの日のうちに帰宅できなくなることから、甲府からは15:24発松本行あずさ19号(16:26松本着)、松本駅ではSuica利用の関係から構外に出られず、構内の立ち食い蕎麦で我慢して、16:53発しなの20号にて名古屋への帰途につきました。 名古屋へ着いたのは19:01、名古屋駅ではSUICAの域外乗り越し処理を済ませて新幹線岐阜羽島駅に到着したのは19:35のことでした。
茫猿はこのところ東京都内で近郊線や地下鉄利用が多いことからSuicaを利用しているのですが、都内並びに近郊、JR他社でも幹線駅ならば相互利用が可能なのですが、東日本管内でも松本駅はSuicaを取り扱っていませんから、手続きが面倒になるのです。 ちなみに中央線大月駅及び富士急大月駅ではSuica利用になんの問題もありませんでした。写真は、富士登山電車の座席整理券です。
そして『鄙からの発信』定番、富士吉田市の蓋です。マンホール蓋は中央に富士山マークが見えます。 上水道制水弁蓋はカラフルです。
富士山駅六階屋上の展望デッキからは裾野を長く引く御山が一望できます。十一月には機上から眺めた富士を、今年も終わりに近くなって間近に心ゆくまで眺めることができて、幸せな一年の幕引きができました。
美形のアテンダントに撮っていただいた貴重な一枚なのですが、前夜の深酒と寝不足が祟って老醜をさらすお見苦しい絵ですから、モノクロに補正しました。
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いやはや、老醜などと宣う事なかれ。相変わらずの好奇心、行動力に感嘆します。小生も聊かの好奇心はあれど、茫猿先生には、脱帽です。来る年も、宜しくご指導下さい。よいお年を。