商業地の地価上昇や下げ止まり横ばい傾向を報じる地価公示価格の公表とともに小粋なラベルを貼った吟醸酒が畏友から届けられた。 業歴五十年を記念してのご挨拶と云うご趣旨だそうである。
吟醸酒のラベルは彼の業歴五十年に即して、1965年以来の地価動向グラフがデザインされている。 1972年前後の列島改造論、1990年前後の平成バブル、最近2005年前後のファンドバブル、そして2015年アベノミクス地価上昇が示されている。
折しも花見どきである。お届け頂いた酒は鄙桜の開花に合わせて佳き花見酒となろう。ところでラベルに描かれたグラフの落ち着き先は如何なろうか。 地価の回復に浮かれはじめた世間では「花見酒の経済」に終わるや否やが問われていよう。金融の異次元緩和、円安原油安、海外ファンド主導の株高などが、日本経済の質的転換を誘導してゆくのだろうかと眺めてみれば、量的拡大指向から抜け出ているようには見えず、はなはだ心もとないのである。
《花冷えの蛇足》
カーラジオから小泉チルドレンのひとりとして騒がれた「猪口邦子」氏の国会質問《参議院予算委員会・3.16質疑》が流れてきた。珍しいお名前だな、まだ議員を続けておられたのだなと、テレビをつけてみたら、質問者は既に化粧の濃い中年女性に代わっていた。聞くともなしに彼女の質問というか自説陳述を聞いていて、ノケゾッタ。 まさに唖然として、仰け反った。
彼女《三原じゅん子氏》宣わく、「八紘一宇の精神を世界に流布しよう。」というのである。戦後七十年が話題になっている時に、五族協和(満州人、日本人、漢人、朝鮮人、蒙古人)と並んで太平洋戦争を遂行した標語を持ち出してこようとは、まさに皇国の亡霊を見るような気にさせられる。
1146年前の天皇の詔を持ち出す時代錯誤さ加減、そして八紘一宇を臆面もなく高らかに国会で謳い揚げる無神経さに呆れるとともに、このような方を比例代表候補に選ぶ自民党の無見も疑うのである。それにしても、彼女のプロンプターは誰なのだろうか。
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