気づけば鄙里の秋は深まってきている。里芋や薩摩芋の収穫期は近づいているし、コスモスは盛りを過ぎて倒れかかっている。旅に出る時には咲き始めていた曼珠沙華が、今は咲き終えて枯れている。
昨夜はデリーのスープカリーに里芋を入れてみたら、これが意外に合う組み合わせだったのである。
畑を見回っていて、生け垣にカラスの枕を見つけた。これも秋の風物詩である。夕陽に赤い小さな瓜のような実が輝いている。
今年の葉もの野菜は10日間も放置しておいた割にはよく育っている。法蓮草、白菜など順調だ。大根、人参も抜き菜をしなければならない。もうすぐに菜花を蒔き、玉葱を定植する時期である。
年毎に体力の低下を感じないわけではないが、そのぶん農作業が手慣れてきたと思う。この秋は長年《父母存命のうちから》放置して草畑になっていた部分を少しだけだが開墾して畑作付け面積を増やした。母が亡くなった時に動力耕耘機を購入したが、使用したのは三年ほどで、この二年ほどは手作業《備中鍬》で耕している。多品種少量栽培には手作業が似つかわしいのである。
今年の柿は、夏頃には多くの実を付けていたから期待したが、夏の終わり頃から落果が激しくて、今や残っている柿の実は数えるほどである。渋柿はそれなりに枝に残り色づいてきた。干柿にする時期が近づいているが、まだまだ気温が高いので躊躇している。本当は摘果をして一個一個の果実を大きくしなければいけないのだが、真夏の摘果作業は辛いから放置したままである。熟した実にはカラスがやって来るようになった。
ふと窓の外を眺めれば、鄙桜に迷い咲きの花が数輪咲いている。盆過ぎに防除のタイミングを違えてしまい、慌てて防除したものの、発生した毛虫に全ての葉が食われてしまったせいなのかもしれない。秋風に吹かれる秋桜《コスモス》ならぬ秋鄙桜なのである。よく見れば、蕾は来春の準備をもう始めている。
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