本来は、今日はたまった仕事を幾つか片づけて、請求書を発行する日でした。 しかし、某氏の刺激的且つ挑戦的メッセージ(メッセージの送信には深く感謝しています)に触発されて、書庫と文献ファイルを探索する破目となり、その結果、積ん読であった数冊の書籍を取り敢えず斜め読みしていたら、もう夕刻です。
「鑑定評価のフロンテイア」ニューアプレイザルグループ共著、バブル崩壊前の87年に刊行されたこの著書は、10年早く出版されたが故に、バブルの高波に埋もれてしまったのでしょうか。それとも、今となれば彼らの先見性を立証することとなったのでしょうか。(積ん読くだけましでしょうか、でも読まなければ一緒か?)
大野喜久之輔氏の正常価格・市場価格・換金価格論にも通じるところ多く、日頃、小生が考えている、「何故に三価格を調整して正常価格を求めなければならないのか、取引市場は市場価格を示し(今の比準価格とは概念が少し違います)、賃貸市場及び収益市場は収益価格を示し(今の収益価格とは些か概念が異なります)、その中で、依頼目的に応じた客観的且つ論拠のある適正価格が示されるのではなかろうか。」という疑念にも何らかの解答を与えてくれる予感がします。
同時に、依頼目的に即応した市場資料分析価格の追求があり、投資採算分析価格の追求があるのではなかろうかと考えます。更には、それらの価格分析経緯を丁寧に説明し、それらの価格に内在するリスクを的確に説明することにより、鑑定評価は次の次元に立つことができるのではないでしょうか。
十年一昔、十年前には大量の市場資料を分析するツールも、複雑な投資採算分析を行うツールもあるにはありましたが、高価且つ難解・複雑で一般的ではありませんでした。今や、それらのツール面での障害は殆ど解消されたと言っていいでしょう。分析に先立つ多量の市場資料も投資関連資料も用意が可能な状況を迎えています。
後は、ヤルッキャナイ。やれば、フロンテイアが開けてくる。
楽観的に過ぎるかもしれませんが、社会事象分析に携わる者の一人として、私は基本的に且つ共に真の意味で、プラグマチストでありエピキュリアンでありたいと願います。
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