【茫猿遠吠・・残暑見舞・・03.08.21】
記録的冷夏も各地に災害の爪痕を残しながら終わりを告げたようですが、
梅雨明けを思わせる様な蒸し暑い残暑が到来しています。
読者諸兄姉の夏休みはいかがでしたか、冷夏は冷夏なりに楽しみ骨休めなされたことと拝察致します。
水俣地方や日高地方など被災された方々には、遅ればせながらお見舞い申し上げます。海抜ゼロメーター地帯に居住し、子供の頃より水害には格別の想いをもっております茫猿は、日頃は穏やかな河川がその様相を一変させる怖さは、実体験として理解できます。
各地の被災状況は報道以上には何も存じませんが、茫猿の近辺でも近年は、降雨時と出水時の時間差が短くなっているのを実感して、山が荒れているのだろうなと思います。
三十年も前は、豪雨の時でも雨が上がり陽射しが強くなってから川の水位は上がっていった様に記憶します。何も山の保水力が乏しくなっただけでなく、河川上流域の開発が進んだことや、湛水排除能力の向上などが降雨量と河川水位上昇の間の時間差を短くしたのでしょう。
※湛水排除能力:市街地や農地に溢れた水を河川に排出する能力、雨水下水整備も影響していると思います。
ところで、鑑定評価について皮肉っぽく云えば、「鑑定士茹で蛙状態」に近い状況があるように思えます。鑑定評価基準の全面改訂は終章ではなく、鑑定業容変貌と業界再編の序章に過ぎないように思います。既得権保持に心奪われているうちに、試験制度の改定は鑑定士数の増加につながり、一見して業容拡大にみえるものは業際間の垣根の撤去につながり、鑑定業者のグループ化は既に終盤状況にある。
にもかかわらず、取引情報の開示スケジュールにいささかもコミットできない鑑定士達、DCF法やデューデリジェンスに眼を奪われているものの比準価格の精度向上はなおざりの感があり、収益基礎資料の充実や投資インデックス
等については手をこまねいているばかり。
ITとかデジタル化と云われて久しいが、ネットワーク整備すら遅々として進まず、あいも変わらず印刷物の大量消費に明け暮れる鑑定業界、などと愚痴ばかりでは何も始まらないのでしょう。
鑑定業界に棲む一人々々が、自らのためにそして少しは他者にも役立つ何かを「隗より始めよ」と、少しずつ進めて行くしかないのだろうと思います。
大河も一滴より始まると思うことが大切なのだろうと考えます。
茫猿の夏休みは、読書中心で過ぎました。
晴耕雨読と云いますが雨ばかりでは雨読のみに如かずということです。
・日朝関係の克服・集英社・姜 尚中【著】《カン サンジュン》
・タイムマシンをつくろう!・草思社・デイヴィス,ポール【著】
・バカの壁・新潮社・養老猛司【著】
・道元断章・岩波書店・中野孝次【著】
などが、主なところでしょうか、ほかには藤沢周平ものを何冊か読み返しました。
ところで、就職が決まった息子に、中島敦の「山月記」を買い与えて読むように勧めましたが、難しい漢字が多すぎてと投げ出したのには、いささかがっかりしました。判らなくともよいから、せめて三度は読み返せと教えたのですが、卒業旅行に心奪われていて多分無理でしょう。
本人が、アンコールワットで昼寝しながら読みますと言ってくれているのが、せめての救いと思う、哀しい親心なのですが。
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・
9月には、北海道へまいります。
「固定資産評価への新たな取り組み方を求めて」と題する情報交換会と、北海道会30周年記念行事にお招きを頂いておりますので、涼しい彼の地に集われる全国の皆様と旧交を温めたいものと思っています。
鉄道模型ジオラマ制作は少しずつ進めています。制作部屋には空調がないので、夏場は滴る汗がレールやポイントの大敵ですから、なかなか進みませんが、当初計画のレール敷設は一応終わりました。配線工事などを終えて秋半ばには写真を Web Site に掲載できるでしょう。
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