祀りを終えて

 ただ今(10.22 16:00)、父と母の一年忌を終えて帰宅しました。 正しくは、母は1年5ヵ月前、父は十一ヶ月前に逝っていますが、縁者の都合その他を考え合わせて、本日ふたりの年忌を勤めました。 私にとっては、早いようで長かった一年であり、長いようで短かった一年でした。 二人がいなくなってからは、様々な祭祀を過ごしてきましたが、今日ようやくに一区切りという感じで、なにやら肩の荷を降ろしたような気分も致します。
 この一年余のあいだ、様々な方々に慰められ励まされ支えられてきたと思います。 昨今、この歳になって幾つかの会議にお呼び頂いたりして、なにやら忙しい日々を過ごさせていただいているのも、場を与えて頂いている多くの方々のお陰であり、嬉しいことであると思っています。 もうすぐ歳が明ければ、今度こそ二人の来世を祀りつつ閑かに晴耕雨読の日々を過ごせるであろうと思っています。


 ふと気づけば庭先にも秋は深まっています。 草モミジという言葉がありますが、岩蓮華が赤く染まってきました。
 
 岩蓮華だけでなく、岩ヒバも深い緑一色から赤色を増しています。 岩蓮華も岩ヒバも父母が残したもの、特に母が丹精していたものです。 父と同じように父が遺した膨大な書籍を読み始めようと思っています。 母と同じように母が慈しんでいた畑をそして屋敷を耕し見回って、あと何年残されているか知れない日々を過ごしてゆきたいと思っています。
 
 今の茫猿にも気懸かりなことがひとつふたつ無いわけではありません。 でも今の茫猿には物的にも心的にも為し得ることはもう僅かです。 下手に手を出せばそれこそ老害というものでしょう。 今こそ「Old soldiers never die They just fade away 」なのであろうと思います。 閑寂といえば聞こえはよいが一抹の侘びしさも感じています。 でもこの侘びしさもそれほど遠くないうちに消え去り、閑寂の境地へ至ることもできるでしょうし、そうありたいと願っています。

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