今回の会長選挙立候補理由に関して、少しばかり説明がいると思います。著名な大企業の代表者を向こうに回して立候補したって、どなたに聞いたって、勝てっこないと答えられます。当の候補者本人だって、正直に言えばそう思います。私を物心両面から手厚く支援してくれている「地元のそして全国の同憂の鑑定士」だって、そう思っているでしょう。
しかし、鑑定評価とその制度の曲がり角を実感する今こそ、誰かがノロシを上げなければいけないのではないでしょうか。マスコミに対して、所管庁及び関係各機関に対して、何よりも国民市民に対して、私達不動産鑑定士の在り様、所信を伝えることが大切なのではないでしょうか。同時に、我々も変わらなければなりません。過去の成功体験にしがみつくことなく、心情としては成功体験を振り捨てる気概をもって、自分たちのこれからの在り様を問い直す時ではないでしょうか。「今のままか」もしくは「変える努力を始めるか」の選択の時です。
尊敬する「久野 収」氏の言葉を再掲します。「少しでも理想に向かうことが我々の勝利であり、どんな敗北の中からも民主主義完成の契機がある。どんなに敗北を重ねても負けない自分がここにいる。それが人間の勝利であり、それ以外の勝利を考えるようになると組織や運動はもちろん人間の堕落が始まる。」
私は、鑑定協会の会員諸氏に訴えたい。このままで、よろしいのですか。真に、社会が求めるであろうニーズに応えてゆく努力を始めるときは、今ではないでしょうか。
規制緩和の時代は、一面では資格者受難の時代であるとも云われます。それは既得権を保持し続けようとするからであり、既得権にこだわるからであります。社会のニーズがない資格が延命できる訳もなく、社会のニーズに応えられない資格もまた同様でしょう。そんな思いを全国会員の皆様に伝えたくて、私は立候補しました。
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