隗より始めよ

【茫猿遠吠・・隗より始めよ・・01.06.03】
 『鄙からの発信』読者氏より、E-mailを頂きました。
先号の「隗より始めよ」について、用法違いのご指摘です。
投稿氏にお礼を申し上げると同時に、茫猿の半端な解釈もお伝えします。
E-mail引用開始
 固評提案−3の『隗より始めよ』は、厳密には用法間違い。
隗をけわしいと訳すと、出典からずれる。
『隗』とは人の名前で、本義は人材登用に際してのコツを示す筈です。
 正確に記憶していないが、王が広く人材を求めるにはどうしたら良い
か尋ねられた『隗』なる人が、『隗を厚遇することより始められよ』と
奨めたとか。
 その心は、『隗』程度の人材でかくも厚遇されるのであればと、有為
の人が多く集まるとのこと。
 王は怒らず、そのようにしたとか・・・
引用終了
お説の通りです。ちなみに広辞苑によれば以下の通りです。
○隗より始めよ[戦国策燕策]
 中国の戦国時代、郭隗(かくかい)が燕の昭王に対して、賢者を招く
ためには、まず自分のようにさほど優秀でない者を優遇せよ、と進言し
た故事から、遠大の事をなす時は、まず卑近な事から始めよ。
 転じて、物事は、まず言い出した者が着手すべきであるという意
いつもの蛇足です
 茫猿としては、更に転じて、とにかく着手出来るところから始めよう。
まず着手ありき、と云う程度の意味を伝えるために用いました。
 本義や原義からずれており、誤用との指摘はもっともなことと存じま
す。
 茫猿遠吠流に嘯けば「歌は世につれ、箴言も時節と共に」と申しまし
ょうか。イキザマ(生き様)なる不快な言葉が流通する時代ですし、
甚だしいのは「情けは人の為ならず」や、「他山の石」、「枯れ木も山
の賑わい」の誤用などというよりは、180度の意味転換の今日この頃、
 茫猿の忘猿化も、進んだものよと、お見逃し下さい。

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