【只管打座・・星に願いを・・01.11.19】
「星に願いを」とは随分と通俗的なテーマですが、既にご承知の通り、
この原稿をタイプしている今は獅子座流星群が夜空に現れています。
今夜は月齢3で、しかも天気は快晴、今の夜空は満天の星空です。
茫猿の住まいする鄙の陋屋辺りでも、東の空は名古屋や岐阜の灯りが映
えて地平線近くは明るくて星もまばらにしか見えませんし、近くの街灯
の明かりも星の観測には邪魔になります。
でも、中空は美しい星空です。午前1時から2時まで、寒さに耐えて
屋外で空を見上げていました。数分間は目が慣れないのと東の空を見て
いたので、流れ星は見つけられませんでしたが、しばらくしますと中天
の明るい星から三つ星に向かって大きな輝きが星空を横切ってゆきまし
た。
それからは、鮮やかな大きな光からかすかな煌めきまで、次から次へ
と天空ショーが繰り広げられました。光の乏しい暗い田舎に住んでいる
幸せを感じるひとときでした。11月の寒空は澄み渡っており、星の瞬
きも鮮やかであり、その中を大小とりまぜて、方向もあちらからもこち
らからも一瞬の光芒が行き交う様は見事なものであり、宇宙の神秘をま
ざまざと味会わせてくれる時間でした。
折しも、新月に始まるイスラムのラマダンでもあります。寒空を切り
開いて一瞬の輝きを残映のように目に残して消えてゆく「宇宙空間に残
した彗星の残滓が見せてくれる瞬間映像」を眺めていると、地上の人間
の営みの小ささや愚かさを、しみじみと感じます。そんな感慨もタイプ
しながらのモノであり、天空を眺めているときは首が痛くなるのも忘れ
て無心であったと気付きます。
日本の古代人もそうであっただろうし、中東の古代人もあくことなく
夜空を眺め、宇宙の深淵に想いをいたしていただろうと考えますと、光
のあふれる夜を生きる現代人は何を得て何を失ったことであろうと思い
ます。(合掌)
ShinSan Mobile 『鄙からの発信』
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