市場分析について・投稿

【茫猿遠吠・・市場分析について・投稿・・02.12.16】
 先号記事の蛇足部分に関して投稿を頂きました。各位の悩みは共通と云う
ことで掲載します。投稿氏から特にご指定はありませんが、一応匿名掲載と
致します。
『T@F氏投稿』
 ごぶさたしております。T@Fです。
弊社では、ぼちぼち新基準対応の評価書を発行しはじめました。
非常に手がかかるという印象です。
具体的に手がかかるのは
(1)同一需給圏内の類似不動産の市場動向
(2)最有効利用の判定
 (とくに土地と複合不動産との最有効利用が異なると判断した場合の根拠)
(3)土地建物一体としての市場性及びその要因
 (市場性減価が比較的多い都市圏の物件ではとりわけ説明が難しい)
といったところです。
 同じようなことを2度も3度も記載しなければならず、
一貫性を貫くと非常にくどい評価書になり、くどいのを避けようとして多少
アレンジすると、訳がわからなくなったりします。
 特に私は鑑定評価額の決定について、今まで市場分析じみたことを記載し
て決定してたので、これを踏襲すると同じ記載が何度もでてきてしまうので、
非常に困っております。
鑑定評価額の決定の記載が勝負ですが、記載がしつこいものを選ぶか、
あっさりした表現で決めてしまうか、悩みどころです。
今のところ前者を採用しています。周りの鑑定士もその傾向にあるようです。
 そのほかには、たとえば上記の(1)などは具体的なデータがあるものは
それを記載してしまうのですが、店舗や小規模ビルなどのまったくデータ
らしきものがない場合は、不動産業者で聞いてきた内容を
そのまま言葉にして記載するほかありません。
このような意味で、鄙の堂守さんと同じ悩みをかかえています。
 たった数行のために業者にまわって、ビール券くばって・・。
非常に大事なことであり、今までやっていたことではあるのですが、
記載しなければならないとなるとかなり突っ込んだ取材も必要になり、
業者さんの時間をつぶしてしまうので、けっこう嫌われます。
嫌われちゃうと聞けなくなっちゃうので
あっさり引き上げると、今度は分析できなくなるし、
ほんとにやっかいですよ。
まだ、周りを含めて作業がちぐはぐですので、
もう少し時がたって、新基準に対応した評価書が数多く
発行されれば、多少知恵も出てくると思います。
そのときにまた何かしらご報告したいと思います。
とりあえずなんの役にも立たないメールですが、
悩みは共通ですねということで・・・。
『以上、投稿終了』
『茫猿独白』
 手間がかかるのは良しとしましょう。アナリストとして必要な分析は行い、
その結果を書面で説明するのは当然でしょうから。
 問題は手間暇コストに対応する報酬が得られるかであり、更に報酬より問
題なのは折角の分析が依頼者に受け入れられるかだと考えます。
 受け入れられるだけの、納得していただけるだけの分析結果を提示できる
かが課題であり、その為に必要な情報資料の収集努力とノウハウの蓄積が必
須であろうし、分析ツール・スキルを向上させることが求められていると考
えます。
 その点から、H15地価公示における「市場分析調書」の作成や、「鑑定評価
額決定の理由」の記載内容は意味するところが大であり、正月気分にひたる
余裕があるだろうかと考えているのです。

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