米櫃の危機

【茫猿遠吠:米櫃の危機:05.03.16】
ぼちぼちと、役員選挙立候補者の挨拶状が届くようになった。
しかし、はっきり言って駄目だね。みんな何を考えているのだろう。
業務拡充、周辺業務基盤整備、公益法人改革などと三百代言みたいな寝言ばかりだ。直面する課題を誰も意識していないし、その課題が潜めている怖さも判っていない。当然のことだがそこに秘められた将来性も理解していない。
だけど、立候補者諸氏だけが変なのではない。おしなべて鑑定士諸氏が変である。
茫猿に云わせれば、センスもセンサーもスピリットも感じられない。
古来、洋の東西を問わず、兵站線を無視してイクサに勝利した例は無いと云うに、
米櫃に対する鑑定士の見識が疑われるのである。
ライブドアとフジTVの争いから何も学んでいないのではなかろうか。
インターネットの世界の怖さ、速さ、激しさ、
でも、とても とてもの 便利さ。
不動産鑑定士って、一体全体、何者だろうか。
鑑定評価基準を持ち出さなくてもよかろうが、基準にはこう書いてある。
・関連資料を十分に収集し、整理し 『情報を集め、整理し』
・諸資料を具体的に分析し、その影響を判断し 『情報を分析し、判断し』
・経済価値に関する最終判断に到達する。
不動産関連諸情報を収集・整理・分析・判断という工程を踏む作業を
ナリワイ(業)とするのが、不動産鑑定士だろうに。
その鑑定士にとって、取引事例資料は一番と云っていい重要な基礎資料であろうが。例え方は少し品がないが「鑑定士の米櫃」と云ってよかろう。
この米櫃の管理を他者に任せてもよいと考えているのだろうか。
近々に、従来は可能であり大きな制約がなかった米櫃の水源とも云うべきデータの閲覧が困難になる気配がある。しかも、他者から得た情報の管理が格段に厳しくなる局面が目前に迫っている。
でも皆さん、他人事だね。相も変わらず、米櫃は士協会事務局へゆけば覗け
るとも、手に掬えるとも信じている。専門家としては信じられない疎さだね。
とっくに紙やファクシミリやコピーやフロッピーの世界は終わっているのに、
鑑定評価の世界では、「三葉虫」や「カブトガニ」が多数派だよ。
そんな折りも折り、東京ディズニーランドやディズニーシーを運営する
オリエンタルランドが、顧客情報を約12万人分流出させたというニュースが
飛び込んできた。
「オリエンタルランド、流出顧客情報は約12万人分」
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050316AT1G1602B16032005.html
同社は、情報が漏れてしまった顧客に、謝罪の書面と謝意として500円相当の
金券を郵送する予定という。12万×(500円+郵送費等)=7千万円強
それだけではない。ディズニーのブランドダメージはとても大きい。
新スキーム関連で届くメールは、机上調査にしろとか、郵送費負担はどうな
るかとか、調査料は払われるのかとか、閲覧の便宜を優先しろとか、RESに疲
れる話が大半である。三年後、五年後を考えて、これから鑑定士を目指す人達
のことを考えてなどというメールは皆無である。
米櫃のことを云う前に、情報開示事業の公益性、そしてその公益性の高い事
業に鑑定士が参画する意味、いわば鑑定士のスタンスとプレゼンスの問題であ
り、まさにセンスとセンサーとスピリットが問われているのに。
でてくる話は形而下の話ばかり。イーヤ形而下にも至っていない次元の低い
話ばかりなのに、茫猿は疲れてきた。
『しょせんは 茫猿の遠吠と ハナから判っちゃいるけど、コレホドトハ』
ROMを決め込んでいるアナタ、ボチボチ、アナタの周りを変えてゆかないと
大事になるかもよ。全て茫猿の杞憂に終われば、それが一番だけどね。
いっそ、(◆_◆)  (-▲-)  【(-_-)】  に徹するか。
暴言多謝 気に障った方々には ゴメンチャイ  m(_ _)m

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