往く歳、来る歳

 往く歳と、来る歳である。歳末を慌ただしく過ごしているうちに重要なことがさりげなく決められ、さりげなく報じられている。
1.新スキーム予算
 06年度政府予算案の内、新スキーム関連予算額はほぼ前年同額に落ち着いた模様である。ということは、本年度は初期投資に多額を費やしたが、次年度はさほどの額は必要としないから調査対象区域が相当に拡大しそうである。


 でも喜んでばかりもおられない。データの取扱やら新スキームメインフレーム(データファイル)が、我々の手の届かないところでその骨格が次第に動かし難くなってゆくようである。一端決められたことを後から修正したり訂正したりするのは、当初決める以上のエネルギーを要すると云うことである。(前例や先例が跳梁跋扈するわけである。)
2.新スキーム関連・士協会ネットワーク構築
 06/01以降にどのような展開を迎えるのか、雲散霧消するのか、今の段階では五里霧中である。一筋の光明はシステムアドバイザーの委嘱が決定しており、来春早々にそのリポート或いは企画案が提出されるであろうから、以後はその取扱如何ということである。何にしても、今の段階では判らないと云うのが妥当であろう。もう一つ確かに云えることは、多くの役員並びに会員が無関心または不知(無知とは云わない)であることが、この問題に大きな影を投げかけているということである。他にも鑑定業界を取り巻く先行き不透明感と経費節減の強い要求が大きな障害なのであろう
3.公益法人改革
 05/04鑑定協会役員選挙では、鑑定士法の制定やADRが大きな争点になった。その後の鑑定協会役員会でこれらがどのように議論され成案に成りつつあるのか、茫猿は知らない。知ろうとも思わない。多分におよそ不毛の議論が横行するであろうと思うからである。
 そんな折りもおり(12月中旬)政府の公益法人改革概要が公表された。
骨子は次の通りである。
「公益性認定なら税優遇、政府が公益法人改革概要」
(1)現在の社団・財団法人や中間法人の制度は廃止
(2)新たな非営利法人を設置。08年度から新制度に移行予定
(3)新たな非営利法人は登記のみで設立できる。
(4)公益性があると認められた「公益認定法人」のみが優遇税制を受けられる。
(5)公益性の判断は、民間有識者による第三者委員会が行う。
(6)現在の社団・財団法人には5年の移行期間を設け、その間は、優遇税制は維持される。引き続き優遇税制を受けようとする法人は、移行期間中に公益性の認定を申請し、公益認定法人とならなければならない。
  さて、鑑定協会はどうする。多分、いや間違いなく何もしないであろう。国交省の指示待ち、法施行待ち、「公益認定法人」ガイドライン設置待ちであろう。何せ待つのが大得意な鑑定協会というよりも、鑑定士の【宿痾】なのだから。
 それはそれで一向に構わないが、実は大事なことが隠されていると思われる。それは新たに設立される「公益認定法人」は、高い公益性が期待されることから、「民間有識者による第三者委員会により公益性有りと判断されること:お墨付き」の有無は我々鑑定士の今後に少なからず影響を与えると考えられる。
 云うまでも無かろうが「地価公示を受託している」というのは高い公益性有りとみなされるものではない。ただ単に対価を得て官庁発注業務を行っているだけのことである。

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