IT化の光と影ー2

先号記事「IT化の光と影」はいささか判り難かっただろうと思う。
判りにくい原因は明らかである。筆者自身の立つ位置が明らかでない、というよりも自分自身が確認できていないからである。だから読者にはよけい判りにくい。
即ち、業界内既得権益に固執する鑑定士か、無視する鑑定士か。
一切を無視して、新たなIT潮流に棹さす鑑定士であろうとするのか。
いずれについても曖昧なままに話を組み立てるから、判りにくいのである。
とは申しても、自身の立脚点を鮮明にするのは意外と難しいのである。しかも今は新スキームプロジェクトチームの一員でもあるから、誤解を招きたくないと云う臆病心もある。それでも避けられない潮流がもたらすであろう光と影については、もう少し詳しく判りやすく述べておく必要があるのだろうと思う。(我ながら相変わらず韜晦に満ちた表現だ。 _(._.)_ )


先号記事の後半は「ある示唆」により書かれているのだが、「ある示唆の主」が、自身のブログでその連鎖を明らかにしているので、彼の示唆に感謝しつつ茫猿としても自身のブログで出典を明らかにしておく。
彼が自身のブログ記事「不動産情報の収集と公開(アタマのトレーニング) 」で述べていることは、そのまま茫猿が云わんとする「光と影」なのである。
IT化がもたらすもの、土地総合情報システムがもたらすもの、そこには光と影の両面があるのだが、じつはある者にとっては光である事象が他者にとっては影となるのであり、その逆もある。ある者と他者という関係は業界内でも成り立つし、業界と業界外とい関係でも成り立つのである。
土地総合情報システムは、不動産取引価格情報の質と量の両面においてさらに充実してゆくだろう。それほど遠くない時期に「不動産取引価格情報の提供制度創設で企画されたA案」により近づいてゆくと考えるのが当然だろうし、社会の要請はその方向にあるのだと考える。
同時に、「指定流通機構(レインズ)の保有する不動産取引価格情報を活用した消費者への情報提供」も今年度末に予定されている。
それらの大量の取引情報データに加えて、既にinet上に大量に公開されている販売・賃貸物件情報がある。それらにこちらもネット上で公開されている相続税路線価及び固定資産税路線価を加えれば、何が起きてくるか想像できないようでは業界人とは云えないと考える。
この否応なく始まってしまった鑑定業界のメガトレンドを判りやすく解説するのが「不動産情報の収集と公開」なのであり、それらを光と受け止めるか影と受け止めるかによって立つ位置も、対応策も異なってくるのである。
「不動産情報の収集と公開」が云うところの、『情報を持っていることじたいがカネだと思っている人には理解しがたいのだろうけれど、閲覧でお金を取るからビジネスシーズが潰れてしまうのだ。そうすると、世間のいろんな人はGoogle Mapsとかとmash upしていろんなサービスを作ると思う。』、これがポイントである。Web進化論なのでもある。
業界内人として「閲覧で金を取る行為」を弁護しておくと、投下費用の回収行為という側面があるのだが、本質的に業務の必要上集めた資料のいわば残滓であるのだから、これだけの理由では少し弱いかなとも思う。何よりもそのようなチマチマしたことに囚われていると、メガトレンドに呑み込まれてしまうだろうと思うのである。
『価格情報開示という武器を掲げて、撃って出たいものだと思うのである。』
業界外人にとって、業界内においても既得権益を保有しないか拘らない者にとって、「不動産情報の収集と公開」が云うことは光であろう。しかし、既存の業務スキームに依存する者にとっては悪夢としか捉えられないかもしれない。
だからこそ光と影なのである。でも今茫猿に聞こえてくる話は、閲覧の範囲とか閲覧料とか、およそ異次元の話ばかりなのである。この延長線上に見える陽炎は、「だからIT化反対」という声である。別の「光と影」の場面では「IT化打ち壊し運動」に似た騒ぎが起きることもあり得るだろうし、それは時代の潮流に背を向けることであり、しがない抵抗なのであろうが業界を闇に導くものともなりかねないのである。

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