不動産鑑定士の永年の願いである「士法制定&強制加入化」懸案が、思わぬことから前向きの小さな一歩を踏み出している。 もう一つ、「全国一斉取引事例悉皆調査&ネットワーク構築」も実現する可能性が無くなった訳ではない。
前者は大義の実現であり、後者は事業優先順位第一位と考えられる懸案である。 勿論のこと両者共に軽々に実現でき得るような容易な事業ではない、だからこそ永年の懸案なのである。でも怯んだり諦めたら終わりであろう。この際は、二兎を追う者二兎を得るべく、着実な努力を積み重ねるに如かずと云うは無理か。
【強制加入化問題について】
標記について、内閣府・規制改革 民間開放推進会議が行った「士業に関するアンケート(H18.10.11)」に関して、横須賀会長の判断で「強制加入を希望する」意見書を9/22に提出し、9/26開催の理事会で追認されたという経緯がある。
そして10/20に至って国交省地価調査課の「強制加入化・否定的見解」が提示されている。
鑑定協会として初めて、「内閣府・規制改革 民間開放推進会議」という公的機関に「強制加入化推進」を表明し、その意見が公開されたと云うことは歴史的意義のあることとである。また、鑑定協会強制加入化ということは、当然のこととして士法制定をも視野に入れてのことであろう。
このような重要な案件について、下部討議無しに会長専決行為で公的機関に意思表明を行い。しかる後に理事会が追認するという、機関無視、手続き無視はゆるがせにはできないことと考えます。しかし、強制加入化・士法制定は、不動産鑑定士の永年の願いであり、その実現に向かって一歩を踏み出すことは歓迎される良いことです。ですが、いかに良いことでも機関無視、手続き無視は見逃せません。ある種のケジメは必要なのであろうと考える。
同時に、せっかく、対外的に歴史的な意思表明したのであれば、協会執行部や理事会の態度が豹変しない内に、実現に向けて、特別委員会設置等の手続きを開始すべきと考えます。次年度総会の議案その一は「不動産鑑定士法制定、鑑定協会強制加入化案」であり、そのロードマップの審議であろう。
【新スキーム拡大問題について】
新スキームが平成19年度には全国に拡大が予定されていますが、全国的かつ全面的な悉皆調査が確定されているわけではなく、予算的な制約から、県庁所在地限定とか、都計区域限定とか、地目限定とか、様々な模索があるのは、以前にこのBlog:鄙からの発信・記事で伝えたとおりである。
そこで、各士協会が真に我が事として悉皆調査実現を検討する手懸かりを得る必要があると考える。
新スキームを全面展開した場合に、各単位会毎の純増予算額についてのシミュレーション結果を開示すべきであろうと考える。少なくともシミュレーション可能なデータや係数を開示すべきであろう。
全国の士協会は各々の純増予算額の推計額、その負担方法、または捻出方法、所要経費と悉皆調査実施の効果や意義などコストパフォーマンス等について、それぞれが検討する必要があると考えるのである。
それらの検討を踏まえた上で、次年度総会の議案その二が「新スキーム悉皆調査全国展開、士協会ネットワーク構築事業案」であればと夢想する。
二兎を追うべしとは云うものの、二兎はともに国交省地価調査課マターである。大義に関して「先方の意向は別」であるようだし、優先順位第一位事業に関しても理解は示すが「無い袖は振れぬ」と云う。鑑定協会執行部はこの隘路にどのような活路を見出そうとするのか、目を離せないのである。
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