08’鄙からの発信

 三ヶ日のうちに年頭の計画を掲載すると言うほどの大袈裟なものではないけれど、年始に今年の目標を公開しておくというのも悪くないと考える。年次目標や予想をブログに書くというのは多分初めてのはずだ。公開したからといって、全てが実現するとか叶うといったものではないが、年末に振り返ってみてどれだけ達成できたか、努力したかと思い返すのも悪くはないと考えるのである。


 年次目標といっても私的なもの個人的なものから、公的というか対外的なものまで幾つか考えられるが、先ずは鑑定評価関連から考えてみる。
一、塾・鄙からの発信
 今年は「塾・鄙からの発信」を始めてみようかと思っている。私塾なのである。鑑定士人生も64歳になる今年は38年目にはいる。思い返せば38年間には様々な経験をしてきたし、多くの方に教えて頂いたし支援して頂いたものである。優れた鑑定評価を行うには、豊富な知識と経験が必要とされる。他には的確な判断力も必要であるが、それは知識と経験に裏打ちされてかなうものであろう。 人に誇る知識はなにも無い茫猿だけれど、経験年数と場数だけは多少はもの申すことができるだろうと自負している。
 
 この際に、その経験を鑑定業界の若手に語ってみようかと思うのである。語ると云っても当然のことであるが、聞こうとする聴衆が現れなければ一人猿芝居に終わる。茫猿(茫々け猿)のことだから、開演する間もなく終演と言うことになるかもしれないが、先ずは「語りますよ」と話しかけてみようと思っている。
 数値比準表、多数画地評価、堤外地、墓地、線下地、無道路地、林地調査で留意すること、立木のこと、農林業収益などなど、比準表の構成から特殊画地評価まで鄙の鑑定士が辿ってきた道筋を語るのも悪くはなかろうと考えている。
 それだけではない。茫猿が鑑定業界にお世話になったのは1969年(昭和44年)の4月のことであるから、1964年(昭和39年)に産声を上げた鑑定評価草創期の頃である。業界は特別試験組がリードし、鑑定評価基準は1969年9月の第一回改定新基準発表の直前であった。鑑定評価基準はその後数次の改訂を経て現行基準につながるのであるが、直接比準(標準化補正の過程なし)から間接比準に変わり、市場資料比較法が取引事例比較法に変わったり、復成価格が再調達原価に変わるなどまだまだ大変革が続く時代であった。(自宅手元には資料が無いので、細かいことは記憶違いがあると思うが、後日加筆訂正する予定である。) だから、そのような草創期の思い出、特に鑑定評価業務の開拓者であった先輩達の姿を思い出すままに語ってみたいのである。
 そのようなことは、ただの昔話と受け取られるかもしれないが、決してそのようなことはないと考えているのである。何ごとにも誕生があるのであり、現行鑑定評価の誕生期のエピソードの数々は今を知るためにも役立つものと考えるのである。当然のことだが、現行鑑定評価も突然に生まれたものではなく、それ以前に長い前史が存在する。鑑定評価制度四十数年の歴史に倍する前史も存在する。先輩方から教えられた「鑑定士が不動産に向き合う時にあるべき姿勢」などを、記憶の鮮やかなあいだに語り伝えたいと思うのである。決っして懐古趣味に陥らないように心しながら、語り部でもありたいと願うのである。
 さらには、出会いと語りの場を設けたいのである。老者の側は年齢60歳以上鑑定経験20年以上とでもしようか、壮青者の側は制約なしとしようか。塾に集う者達が語り続ける場を創りたいと思うのである。語り続けることは、効率優先主義者からすれば無駄なことに見えるだろうが、決して無駄とは考えないのである。いつまで続くか判らないが、参加者が茫猿独りになったときが止める時である。いわば集合知の場をオフライン会として設けたいのであり、集合知オンライン会は、Blog『鄙からの発信』に関連記事を掲載することで立ち挙げたいと希望する。
 この集合知形成の場は、閉鎖的にならず開放的でありたいし、できれば以前に企画しながら竜頭蛇尾に終わった「AREC(2000年05月27日)」や「新社団法人化」に向かってもよかろうと考える。
二、福井達雨先生の講演会
 このテーマは、少し、個人的になるが、講演会そのものは社会的な広がりを持つ催し事である。何度もこのサイトで紹介している、滋賀県に存在する止揚学園リーダーの福井達雨先生の講演会である。以前から、一度は先生の講演会を主催し、岐阜の多くの皆さんに先生の肉声に接してほしいと考えていたのであるが、機会が得られずにというか機会を設けることをできずに今日になったのである。まだまだ茫猿の気力があるうちに今年こそ、岐阜で福井先生の「見えないものを大切に」とでも題する講演会を開催したいと、年次目標にするのである。
三、母の米寿
 最後はまことに私的になるが、茫猿の母の米寿を祝う会を従兄弟姉妹会で行おうと考えている。
母は1920/9/24生まれ、今年、誕生日を迎えれば満八十八歳になる。1913年生まれの父は95歳になる。母の米寿に合わせて父母の長寿を祝い、姉妹七人の父は存命者が妹ひとりとなり、八人弟妹のうち今や二人欠けた母の、それぞれの弟妹達や茫猿の従弟妹達と互いの親好を深め、さらにそれら従兄弟や従姉妹が集うブログも開設したいと考えている。
 比較的、社会性のある目標からすこぶる私的な目標まで、いずれも今年中に達成したいものである。一見すると米寿祝いが一番達成可能な目標に見えるが、派手嫌いで自分のことは後にする昔気質の母をどう説得するか結構な難物である。だが、墓に布団をかける羽目にならないように、今年早いうちに開催したいものである。
「追伸」
 鑑定業界にとって今年こそは、REA-NETを協会標準にする年であろうと考える。もう多く関わることはないだろうが、『鄙からの発信』を通じてでも微力を呈してゆきたい。前述の公益法人改革問題も、問題点や到達するであろう姿もより鮮明に見えてくる年となるであろう。民間競売導入問題、オンライン化をはじめとする地価公示改革、固定資産評価の在り方についても評価替え作業の終わる今年は新しい展開を見せることであろう。景況や地価動向が楽観を許さない今年の鑑定評価業界も波風の高い一年であろうが、より良き方向に向かっていってほしいものである。

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08’鄙からの発信 への2件のフィードバック

  1. 北谷奈穂子 のコメント:

    奇しくも森島様がこの業界に入られた昭和44年にこの世に生を受けた者として、入塾を希望いたします。開演を楽しみにしています!

  2. bouen のコメント:

    入塾歓迎します。
    北谷さんが入塾希望者第一号です。
    塾はオンライン&オフラインで開きますから、どちらでも結構ですが、
    オフライン塾にも顔を見せて下さい。

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