言葉の威圧

 NSDI-PTに関わってもう半年になる。 何か新しいことを始めるたびにいつも感じることだが、今も言葉の威圧を感じている。 言葉の威圧を感じている茫猿が、「我が意を得たり」と膝を打った記事に出会ったのである。


 日頃、注目しているBlog「Life is Beautiful(中島聡)」のある日の記事に出てくる言葉である。 普通ではない少し変わっている「プチ変人」たちが人と違うことをしようとすると必ず投げかけられるのが「普通そういうことしないよ」「そんなことやってもうまくいかないよ」という言葉の暴力である。
 どうして日本人は(とはいっても、海外での生活体験はないのだが、)、彼らの云うところの枠をはずれたことや、自分達と違うことをしようとする他者を排除しようとするのであろうか。 普通という曖昧で得体の知れない定義、要するに自分達が理解できないことに対して投げつける「普通」という言葉の暴力である。 彼らが理解できるのが普通であり、理解できないことは「普通じゃない。」と切り捨ててしまう。 茫猿がよく投げかけられる言葉は他にも「現実はそうではない。」、「時期尚早だ。」などがある。
 普通じゃないから意味があるのだし、現実を打破することに意味があるのだし、時期尚早だからこそ先駆的意味があるのだと、茫猿は考える。 しかし多くの人々、なかでも少しでも茫猿を理解しようとする人に限って、「普通では」、「現実は」、「時期が」という枕詞で茫猿を諫めようとする。 茫猿が今も記憶していて、嬉しく思っているこんな場面があった。
 息子達が中学生くらいだった頃に、何が問題となっていたのかは忘れてしまったが、彼らが私に向かってこう言ったのを今も憶えている。
『父さんは、友だち達のお父さんとは変わっているけれど、だけど悪くはないよ。』と言ってくれたのである。彼らが今もそう思っているのか、何に対してそう言ったのかは判らない。でも「だけど悪くはないよ。」という彼らの一言には、随分と勇気づけられたし、嬉しかったのである。 そういえば、もう十年にも前になるか、『鄙からの発信』の前々身サイトの頃に息子がこんな記事を投稿してくれたことがる。 「親父の背中」
 最近の茫猿は言い過ぎだし、誤解を増幅させることは百も承知の上で、こんな言い方を何処でもしている。 『内なる敵の存在が問題です』と言っています。 内なる敵とは、普通ではないと切り捨てる人々であり、現実はそうはゆかないと切り捨てる人々であり、課題は承知するが時期尚早と切り捨てる人々のことである。 彼らはおのれの成功体験から抜け出ようとしないし、異なるものを理解しようとしないのである。 せめて自らの価値観と異なるものの存在を認めようとしてくれれば救いがあるのだけれど、いっかな認めようとも理解しようともせずに蛸壺から言葉の暴力を放って切り捨てるか、無視するだけである。
 批判は歓迎する。それが善意であろうと悪意であろうと、自らの存在を明らかにした上での批判であれば対応の仕様があろうというものである。しかし、切り捨てには対応の方法がないし、ましてや無視されると何とも手を拱かざるをえないのである。 考えてみるまでもないのだが、新しいことや普通(彼らが理解できないこと)でないことは、リスクを伴うものである。 必ずしも上手くゆくとは限らないし、いいえ失敗の可能性も低くはない。 時間も資金も手間も要するだろう、でも自らの頭で考えて、そこに理や利が存在すると認められるならば、可能性が多少でも認められるならば、賭けてみる意味があると茫猿は考えるのだが、世の常識人達はそうは考えないようである。
 これを言ってしまえば将に茫猿遠吠になってしまうのであるが、世の常識人達は新しいことの理や利を拾い上げるより前に、不利や非理を言揚げするのが得意なようである。 もう少し具体的に言えば、「茫猿が新しいことを提唱し動き始めることにより、自らに影響することの有りや無しやを考えるようである。」 そのこと自体はあながち批判されることでもないが、しかし自らの立場を思い計るあまりに、新しい芽を摘み取ろうとするのは決して許されることではなかろうと云えるのである。
 11/21:NSDI-PTプレゼンまで残すところ2週間となった。 仕掛けは十分ではないにしても出来ることはし終えたのである。 あとはどんな結果が生まれてくるのか楽しみでもあるし、ネズミ一匹出てこないかもしれない。 ただの茫猿独りの思い入れに終わるという予見も否定できないところである。 しかしながら、少なからぬ方々の御支援や御尽力も頂いているプロジェクトであるから線香花火に終わらせたくはない。 いずれにしても、11/21以降、茫猿はどのような生き方をしたらよかろうかと、大仰ではあるけれど考えつつあるところでもある。

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