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 家裁書記官が判決文偽造というニュースには驚かされた。 単独犯行なのか、何らかの組織に強要されたのか、しばらく前には警察官が留置被疑者に脅迫されたという記事もあったし、警視の飲酒運転という記事もあった。 職業倫理が崩壊したのか、それとも組織的退廃なのか暗然とする。

 ”偽造判決文により凍結解除された銀行口座から現金が引き出された事件で、京都家裁書記官が、戸籍の取得を新たに認める就籍許可審判書を偽造、架空の人物を実在するかのように装った疑いがあることが埼玉県警の調べで分かった。”(08.12.08)

 ”警視庁玉川署の留置係の男性巡査長が、同署に拘置中の男から脅されて現金500万円を渡していたことが3日、明らかになった。”(08.12.04)

 ”17日夜に道交法違反(酒酔い運転)の現行犯で逮捕された警視庁警視は、缶ビールなど数缶を飲んだうえ車を運転。逮捕時に検出されたアルコールは基準の4倍を超える呼気1リットル当たり0.6ミリグラムで、足元もおぼつかない状態だったという。”(08.11.29)

 ”乗用車に火を付けたなどとして埼玉県警東松山署は1日までに、器物損壊などの疑いで東松山市の自営業K.M容疑者を逮捕した。K.M容疑者は市の消防団に約20年間勤めるベテラン団員。「消防団の活動にやりがいを感じているが、最近火事の出動機会が少なかったため、思わず火を付けた」と供述。”(08.10.02)

 社会の治安を維持する職業であり、高い倫理性を求められる警官や消防団員や書記官にして、これらのニュースはコメントのしようがないのである。 ただただ暗然とするのみである。 怖いのは「彼らにしてかくの如くだから、※※※程度ではこれくらいは」と、自らを正当化しかねない風潮である。 他は他、我は我という、自らに課す倫理観が求められるのであるが、はてさて。
 「上正からざれば、下乱る」という、指導者層の迷走や倫理観欠如が世相に反映していると見るべきなのだろうか、社会保険庁の組織的退廃を知るにつけても、社会保険庁の組織的迷走を長らく放置してきた厚生省キャリア組や厚生大臣の不作為を思わざるを得ないのである。
 ただ一つ考えさせられるのは、この種の事件が発生すると、次は管理強化という発想である。それもマニュアル的な管理強化であり、かえって事態を悪化させることがある。 現場のモラール向上という意識が欠けた管理強化は百害あって一理無いのであるが、得てしてエクスキューズ的なマニュアル管理が横行しがちである。 個人の資質のみに事件を矮小化したり、責任転嫁意識の肥大化横行が懸念されるのである。

 ”厚生年金保険料の算定基礎となる標準報酬月額(年金記録)の改ざん問題で、厚生労働相直属の調査委員会は28日、社会保険庁の職員が組織的に改ざんに関与したと初めて認める報告書を公表した。”(08.11.28)

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