あしなが育英会

 あしなが育英会から昨年の受領証明書と事業報告の冊子などが送られてきました。 趣意書は『サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機は日ごとにその影響を増し、最下層の遺児家庭は瀕死の状況に追い込まれつつあります。格差は拡大し、階層は固定されつつあります。遺児たちが貧困の連鎖から抜け出すためには子どもの教育しかありません。』と述べます。 届いた小冊子や趣意書を、涙なしには読めませんでした。 先のエントリーに申したとおり緑寿を迎えた堂守は涙腺が弱くなっていますが、そうでなくとも涙なしには読めないお話ばかりの冊子でした。


 あしなが育英会とは、事故や病気で親を亡くした遺児達への進学支援と継続的な心のケアを支援の柱とするNPO法人です。
 あしなが育英会の08年度の寄付金総額は約23億円だそうです。 街頭募金の方の数は数えられないのですが、寄付者総数は4万人強と報告されていました。 そのうち主に街頭募金である「あしなが学生募金」の募金額は3億5千万円だそうです。
 この金額を多いと思われましょうか、それとも少ないと思われましょうか。 キャノン大分工場建設に絡む所得隠し額が約30億円、L&G円天被害総額約4百億円、漢字検定にからむ公益法人の二年間の利益総額が約15億円、話題の定額給付金総額は約二兆円と報じられています。  これらと比べるのも妙な話ですが、決して多いとはいえない金額です。
 遺児の母4人に1人が収入ゼロ。平均年収131万円だそうです。 そんなお母さんや遺児の声をどう聞いたらよいのでしょうか。

・過労で入院し体調に不安がありますが、働かないわけにもいかず、無理を続けています。そんな私をみて将来の夢を諦め専門学校へ行かず、就職をしようとしている子供を、胸の締め付けられる思いで見ています。 (神奈川・病気遺児の母 48才)
・水道、ガス、電気、電話、食費と節約し、子供には寒い中、暖房入れてあげられない生活が続いています。食べ盛りの子供達に満足に食べさせてあげられない辛さ。10万円ほどのささやかな生活も奪われてしましました。 (長崎・病気遺児の母 39才)
・お年玉が3人合わせて3万円で、それを全部母に渡しました。 家計が苦しいのでしょうがないと思いますが、多少は好きなものを買いたいという気持ちもあります。 (山口・遺児)

 あしなが育英会は交通遺児育英会と混同されることもございますが、そのあたりは「あしなが育英会・天下り報道は別組織」と題する琉球新報の記事が、背景を説明しています。
 もうすぐ、春のあしなが学生募金が行われましょう。
 《実施予定、春4月第3・4土日曜、秋10月3・4土日曜》 
 全国の駅や街頭で高校生や大学生のボランテイア活動を見かけたら、「ご苦労さん、ありがとう。」と一声かけて、僅かでも、できれば音の出ないお金を投函したいものです。 彼等彼女等から、大きな声でお礼を受けますと、心が和み勇気がもらえます。 できますことなら、複数の箱に「ありがとう」、「ありがとう」と声をかけながら投函してみて下さい。 少し照れくさいけれど、たくさんの笑顔や、時に「ヒャー!!、(私の箱にも)」という声もいただけます。 とても楽しいですよ。
『あしなが育英会趣意書の結びを転載します』

 不運にも親を亡くした子らにも同じスタートラインで国民生活が出来るようにしたいと願うのは贅沢でしょうか。 国家の衰退を防ぎ、幸せを平等に分かち合うのは「教育の機会均等」が一番の早道だと思うのですが・・・・。 遺児母子家庭の最底辺からの脱出を願います。

【蛇足です】
 えらそうにも聞こえることを書いていますが、堂守は大したことは何もしていません。 ただ「愚者の一灯」をささげることで、日頃怠惰な堂守の免罪符にしている。 それだけのことですから、もし上から目線に見えましたら、なにとぞご寛恕下さい。

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