ネット利用のノウハウとプロトコル

 鑑定協会が連合会化二次答申(各論編)について、パブリックコメントを募集しています。これについて何とも理解できないことがあるから記事にしておきます。パブリックコメントは鑑定協会HPで募集し、09.03/24~09/04/16の期間中E.mailにて受け付けています。


 この二次答申は企画委員会の審議を経て3/16開催の理事会に上程されているものである。 理事会の審議結果については議事録が開示されていないから定かではないものの、当該案は企画委員会だけでなく組織改編検討特別委員会の審議も経て理事会に上程されている。
 企画委員会に所属する委員の大半は各ブロック(地域会)派遣委員が占めているから、今日に至るまでの間に所属地域の意見を集約して、つまり地域会役員会等の意見を集約して委員会審議に参加しているものである。 実際に各委員の所属地域会の意見を反映した審議が行われた。その上で組織改編特別委員会(詳しくは承知しないが、常務理事以上または正副会長で構成される)の了承を得て理事会に提案された二次答申案である。
 鑑定協会HPによれば理事会は基本的には了承したが、「広く会員の意見を聞くように」とパブリックコメントの募集を求めたとのことである。これは各省庁が法案作成に際してパブリックコメントを募集するに似ているが、鑑定協会の二次答申作成の実態はブロック会派遣委員の審議を経て理事会に提案するものである。理事会が結論を出せないのであれば、パブリックコメントの募集ではなく次回理事会まで継続審議として、その間に理事諸氏は各選挙区の意見集約を行うべきであろう。 あるいは全国単位会(士協会)の意見を求めるべきであろう。
 何よりも連合会化というものは、全国の鑑定士が直接構成員として鑑定協会を構成するという形式上、士協会単位で連合を構成するということにあるのだから、参加を求める士協会の意志が一番重要である。連合会化は果たしたが、参加を拒否する士協会が現れたのでは洒落にもならない。 なお連合会化とはいえ、鑑定士の直接参加も求めるという団体会員・個人会員の重層化参加方式も採用されているから、参加を拒否する勇気ある士協会が現れるとも思えないのである。
 そのような状況でありながら、今更にパブリックコメントを募集するという。 理事会の権能放棄とも読みとれる理事会の判断も理解できないが、パブリックコメントの募集方法も理解できないのである。鑑定協会にはREA-NETという情報の共有手段が整備されているのであるにもかかわらず、ホームページで意見を募集し、インターネットメールで受け付けるという方法を採用している。 REA-NETで意見を募集し開示すれば、情報の共有が即座に果たせるのにと残念である。 
 誤解を招かないように付け加えておきますが、茫猿はパブリックコメントの募集に反対するものではない。 問題は募集の時期とその方法にある。 今から意見を募集して再審議を行うというのか、それこそ一事不再理の原則に反するものであるし、単に質疑を行うというのであれば、理事会の『会員各位の意見も伺う必要があるとの結論』も、協会HPの『組織改編検討特別委員会及び企画委員会における検討のための参考とさせていいただきます』という文言も理解に苦しむのである。
 何やら、昨今はやりのパブリックコメントを募集しましたという形跡だけを残しておこうというような、いわば《ガス抜き》にパブコメ募集が利用されているように見えてならないのである。 いわば本末転倒と云わざるを得ないのである。
 情報開示並びにパブコメ募集にREA-NETを使おうとしない訳については、REA-NETに未だ参加していない士協会が幾つか存在するからという。 REA-NET不参加の士協会が未だに存在するのも、これも理解できないというよりも誤解や理解不足から発していることだと思われる。   不参加士協会ではREA-NETを事例オンライン閲覧機能と誤解して、不参加理由としているようなのである。鑑定協会会員の情報共有手段と理解できていれば不参加という選択はなかろうにと思われる。
 ネットワークの進展は組織の在り方を上意下達のツリースタイルから、フラットに情報を共有する文鎮型組織に変えてゆくといわれて久しいが、未だにネットワークの意味も意義も理解されていないのがとても残念である。
 話変わってネット利用、この場合は電子会議のプロトコルについてである。 そうはいっても、電子会議だからといって特別なプロトコルが存在するわけではない。一般の会議におけるプロトコルは電子会議でも殆ど共通である。 異なるのは一堂に会さなくても良いと云うこと、会議での自らの発言がそのまま議事経過として記録されること、24時間常に対応可能なことなどである。発言者の表情や発言しない出席者の表情などは判らないが、それも慣れてくれば自ずと判るようになるものである。
 差し障りがあるから詳細には述べないが、電子会議を主催しながら、(この場合は主催者としてスレッド《議題あるいはテーマ》を立てておきながら)、主催者は直接参加せずにE.mailで間接参加するという現実に唖然とし、そして当惑するのである。 一般の会議と同じなのであり、質疑応答や意見への対案・是非論がなければ、ただの言い放し、ガス抜きにしかならない。 スレッドを立てたなら立てた側の責任とか義務というものがある。立てた側はスレッドを立てる権利を行使しているのであるから権利に対応する義務というものが存在することに気付いていない。
 フォローアップや、モバイル性を駆使しない会議主催者は怠慢であり、スレッドを立てる資格がないといえる。 基本的に一般のオフライン会議と同じなのである、違いは便利、機動性、リンクなどのネット機能を駆使できることにある。マイナス点は顔が見えないから表情が読めないから、誤解が生じやすい、だから表現に注意する必要がある。 だいたい、ぶっつけ本番会議をやれば「俺は聞いていない」という反論が出るものだ。 そのアリバイ工作として電子会議を行うとしても、最低限のプロトコルくらいは承知しておくべきであろう。
 この記事の伏線となったある出来事はとても興味深いのである。 過日のさる電子会議で内部分裂を示唆するような書き込みが行われていた。 詳細は避けるが「酒席の話題」としても控えた方が良さそうな話題が、「フォローコメント」に書き込まれたのである。 当然に署名入りで、そのコメントは今もi-NET上で確認できる。 オフライン会議なら多分口にされることはないだろうが、オンラインの気安さというか、怖さを知らないから、書き込まれたものと思われる。
 とまあ、何やかやと申しましたが、「NSDI-PT:プロトタイプモデル公開」も既に一ヶ月近くになりますが、未だに一本もコメント書き込みがありません。 会員は無視しているのか、興味がないのか、さっぱり判りません。 不要だと考えているにしても、『不要』と意思表示しなければ、稔りある結果は得られないのです。 こういう場合には《糠に釘》とか《暖簾に腕押し》などという便利な言い回しがありますが、《柳に風》という表現もあることから、しばらくは放念黙視に如かずなどと思っている今日この頃です。
【鑑定協会選挙】
 役員選挙について一言ふれておくべきでしょう。 会長選挙は事実上の信任投票、副会長三名は東京会、中部会、九州会出身の方が無投票で確定しました。近畿ブロックと関東甲信ブロックは副会長候補者を立てませんでしたが、多分会長指名副会長二名が両ブロックに配分されるのでしょう。 理事選挙も大半の地域では無投票が確定しましたが、東京と近畿は2名あるいは1名の定数超過で選挙になっています。
 神戸・会長候補は「困難を乗り越え、確かで明るい未来を。」と表明されていますが、選挙全体として争点は見えませんし、多くの会員にとって選挙は関心の外にあるように見えます。 茫猿の関心事も会長選挙の投票率と当選者の得票率です。 ちなみに前回07年投票率は53.9%、神戸候補の得票率は82.6%でした。  

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