続・古今伝授の里

先週末は走り梅雨模様のなか、関から奥美濃方面を歩いていた。 雨降るなかの現場行は必ずしも快適ではないが、堂守は雨がそんなに嫌いではない。 降るべき時に降らなければ、様々な悪い影響がでてくるのは当然だが、雨のなかでは山も野も川も海も晴れのときとは違う顔を見せてくれるのが好きである。 何よりも雨中であれば無用な人影が少ないのが好ましいし、花も緑も雨に洗われる風情がとても好ましいのである。


そんな雨中の奥美濃切り撮りである。 関市から郡上市白鳥町へ東海北陸道を利用して向かったのであるが、高速道路は白鳥ICで中部縦貫道・油坂道路と連続する。 その越前方面に連絡する油坂道路の高架下を長良川鉄道が交差している。 油坂道路にも車影はまばらで、長良川鉄道も毎時一往復も運行されていないなか、雨中だからライトを付けて走ってくる列車を撮ろうと、時刻表片手に小一時間待ちかまえて撮った写真がこれである。

長良川鉄道を待ったせいで時分を失した昼食は白鳥町街区の南端、国道156号から分岐して白鳥街区に向かう旧国道交差点に店を構える「覇楼館」で”奥美濃カレー”をいただいた。 奥美濃カレーは町興しのために奥美濃古地鶏をメインに、地元食材を使って参加各店舗が各々の知恵を絞って、各店舗独自のカレーを供しているのである。 覇楼館では「白雪の妖精」と名付けたホワイト・スープカレーを供していた。 サラダが付いて870円は納得できる味だったが、堂守の好みからすればもう少し辛口でも佳かった。

白鳥の現場を終えて事務所へ戻る途中で立ち寄ったのが”古今伝授の里・フィールドミュージアム”である。 東氏館跡庭園ではカキツバタの紫の花が降りそぼる雨にうたれていた。 「古今伝授の里:過去記事」

フィールドミュージアムのそばを流れる栗巣川の緑も雨に洗われて鮮やかである。 なかでもカエデの紅い実が彩りを添えているし、川のなかからはカジカ蛙の涼やかな声が聞こえてくるのである。

フィールドミュージアムの西隣に明建神社という古い社があるが、その境内には樹齢数百年という杉巨木が二本ある。写真はそのうちの”神迎え杉”(樹齢七百年、周囲7m)である。

そして、明建神社鳥居の左奥に見えるのが”獅子の寝床杉”である。こちらは樹齢五百年、周囲6m弱である。

山際に雨上がりの霧が昇ってゆくのも、佳い風情である。

ついでに、我が陋屋も今や緑一色である。

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