恒例10/01

 10/01は恒例の無料相談会開催日である。 年に二回、地価公示公表後の04/01、そして地価調査公表後の10/01に各地の不動産鑑定士協会は街頭や市役所ホールなどの様々な場所で、会員不動産鑑定士による無料不動産相談会を開催している。 詳しくは記憶しないが既に三十年近い歴史をもっているはずの鑑定士協会会員全員参加の主要行事である。 茫猿も地元岐阜市役所ホールで開催された相談会に相談員として参加した。


 岐阜県士協会では岐阜市の他、大垣市、多治見市など県内各地の市役所で一斉に相談会を開催し多数の相談者を迎えたのである。 例年は賃貸相談、相続問題、地価問い合わせなどが多いのであるが、今年印象に残った相談案件は、地価の下落が続いて売り時を失ってしまった遊休不動産をどうしたらよいのだろうか(?)とか、居住しない遠隔地の住居の管理方法特に家屋の管理あるいは撤去方法などである。 資産を保有するが故の持てる悩みと云ってもよい相談事である。 また相変わらず多いのが高額資産にもかかわらず相対取引で処分しようとする、リスク管理意識の乏しさである。
 仲介手数料や登記その他の専門家への手数料を低くしたい、できれば無しで済ませたいという、関係者の手取りを多くしたいという気持ちは判らないでもないが、素人が素人考えで取引したり賃貸したりすることの裏側に潜むトラブルについて考えが及ばない危うさである。 相対取引で一見不要な経費を削減できたように見えても、後刻に紛争事が発生すれば餅より粉が高くなることもあるし、高く売却できたつもりが以外と安かったという場合もあることに思いが及んでいない。
 面積や境界の錯誤、後に紛争の種になる建物の瑕疵、思いこみ取引で壊れる相隣関係、欲に走った結果売り損なうリスク、などなどを説いて差し上げるのだが、何処まで理解できて帰って頂いたのか、毎年のことだが気に掛かる。 いずれにしても、無料相談会などというシロモノは、相談者の愚痴の捌け口、誰かに語って慰めを得たいだけのこととは判ってはいるのです。 それでも、相談者と年齢が近かったり、相談者より高いことも多い昨今では、できるだけ多くを聞くようにはしてますが、ツイツイ説教ぽくなるのも否めないことです。
 女性鑑定士が増えている岐阜会ですが、相談される方も女性の方が話しやすいと見えて、茫猿などは手持ち無沙汰でカメラマンに廻るのです。
   

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