日弁連会長選挙

 2月5日の選挙では決着がつかず再投票が行われていた日弁連会長選挙で、反主流派といわれ、多重債務問題への取り組みなどで知られる宇都宮健児氏が当選した。 有力な組織票を持たない宇都宮氏の当選は”日弁連の乱”と言ってもよい出来事のようだが、興味あるのは選挙の仕組みである。【弁護士実勢調査結果】
 日弁連会長選挙では、最多得票を得るだけでは当選とならず、全国52の弁護士会の3分の1を超える18弁護士会以上で最多得票を得ないと当選できないという仕組みである。 2月の1回目の投票では、本命候補が得票数で勝ったが、宇都宮氏は東京、大阪などを除く地方圏域42会を制したために決着がつかなかったものである。 弁護士会選挙結果も弁護士実勢調査結果もともに興味深いが、最も注目されるのは、再選挙でも投票率が63%だったということである。


 この仕組みはとても興味深いものがある。 鑑定業界では公益法人改革と並行して連合会移行が審議検討中であるが、連合会会長は理事の互選とも全国会員の直接選挙とも聞いている。 いずれの方式を採用しても、都市圏に基盤を持ち組織票を動員できる候補者が有利であり、過去の会長は都市圏域以外からは当選していないし、組織票を持つ候補が圧倒的に有利である。
 同時に鑑定協会の選挙仕組みは、地方圏域の声を反映するには不向きでもある。 連合会という組織態様の本質から云えば、47都道府県士協会会長の互選が一番望ましいが、それは会員数の多い都市圏域会員の是とするところではないだろう。 さすれば、獲得投票数プラス獲得士協会数という選考方法は結構理にかなっていると思われるが、如何なものだろうか。
 それでなくとも、代議員方式総会への移行や理事会の権能制約など、会員の声を直接的に反映させるには問題が多い連合会定款試案である。 日弁連方式であれば、全国の会員は会長選挙に興味を深めるだろうし、何よりも会長をはじめとする執行部も地方の声により耳を傾けるようになるだろうと思われる。
 一考に値する選挙方式だと思うのだが、47都道府県士協会の四分の一以下の士協会に会員数の四分の三が集中している現状では、とても賛同は得られないだろうと思ってもいる。
 難しいことはさておき、時季はずれの大雪が各地を見舞っている。 当地も寒に戻ったような気候であるが、花は着実に春を告げているのである。 畑に出てみたら菜花が満開になっている。
    
 毎年春になると釣り鐘のような花を付ける花木だけど名前を知らない。 十年も前に買って庭の隅に植えておいたのだが、名前を知らないと云うより忘れた。 そこでi-NETで調べた。検索キーは「花木、春、黄色」である。 ヒットしましたよ、「トサミズキ(マンサク科)」というのだそうな。複数のサイトで確認したから、間違いないだろう。
    
 こちらは初春の山を彩るマンサクである。 ここ数日の寒さのせいもあるのか木に勢いがないところへ、花の盛りも過ぎている。 一般にマンサクの花は黄色だが、これは赤である。
    

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日弁連会長選挙 への1件のフィードバック

  1. 寺村 建一郎 のコメント:

    鑑定協会のように、都心部(特に、東京)と地方圏とで、やってる仕事の内容が大きく異なる場合は、弁護士会が採用している方式への変更を訴えていくべきだと感じました。

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