粉雪が舞う余寒の日々であるが、陽射しは春である。 風のあたらない日だまりにいると春がもう間近というよりも、既に訪れているのを感じさせられる。 そこで鄙里の春を撮ってみるのである。
春に先駆けてロウバイが咲いたが、続いてマンサクの花が咲いた。
マンサクの次は、トサミズキ(マンサク科)が咲く。
取り忘れた菜花も花になっている。(菜花は花蕾芽を食する)
梅もスイセンもまだまだ花を咲かせているし、サンシュユは開花寸前である。
《久しぶりに茫猿の草深包丁》
この頃は、自家製パンと粕汁にはまっている。 自家製パンといっても市販のホームベーカリーが手に入ったから、それを使っているだけだが、これが優れものなのである。 強力粉を正しく計量し、砂糖、塩、バター、牛乳、ドライイースト、時に干しぶどうを入れて三時間ほど待てば、食パンが焼き上がってくる。
何よりも温かい焼きたてパンは旨いし、焼き加減も好み次第である。余計な添加物が無いのもうれしい。 いつでも焼きたて、サクサクもっちりの葡萄パンを食べている茫猿はパンを買わなくなったのである。 近々、ドライフルーツやナッツをたくさん入れたパンケーキに挑戦しようかと考えている。
粕汁は特に語ることもない。 鮭や鶏肉をベースにして、鄙畑で栽培するニンジン、大根、葱、玉葱などをたっぷりといれるだけである。その日の気分で菜花やブロッコリーにシイタケも入れる。 問題は酒粕である。市販されている真空パックの固く絞られた酒粕はいただけない。 茫猿が使っている酒粕は地元の造り酒屋が販売している、軽包装の柔らかく酒の香りが高い酒粕である。それに加えて八丁味噌と塩か醤油で味を調える。 これが美味いし身体がとても温まるのである。
たかが粕汁であるが、されど粕汁でもある。結構奥深いものがある。 酒粕を選ぶのは当然であるが、合わせる味噌も八丁味噌だけと限らない。仙台味噌なども結構な味を出す組み合わせである。 根菜類を種類多く《大根、人参、蓮根、牛蒡など》組み合わせ、出汁をきちんと引けば、鮭も鶏肉も必要なく味が調うものである。 ダイコン・ニンジン類にしても乱切り、イチョウ切り、短冊切りなど切り方で味が変わってくるし、牛蒡だって笹掻きもあれば叩きもある。
仕上げに刻み葱を散らしたり、柚子皮、オロシ生姜なども風味を増す茫猿の草深包丁である。 唯一、粕汁に難点があるとすれば、作る量の問題である。 煮込みモノは少量では美味くないから、必然的に鍋一杯に作るから、時には数日に及んで粕汁を食することになる。《もちろん、手を加えて単調にならないよう注意はするけれど。》 カレーのように冷凍したらどうなるか、一度試してみる値打ちがあろうと、窓の外に舞い吹雪いている雪を眺めながら考えている。
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