清水教授の講演

本日《05/20》は、茫猿の地元大垣市において、清水千弘教授の講演会が開催された。
地元金融機関が主催する顧客経営者むけの講演会であり、一般聴講も歓迎するということから、茫猿も参加聴講したのである。 夜間《18:30〜20:00》であり小雨模様でもあったから、出かけるか否かいささか躊躇したのだが、今は久しぶりに清水教授の講義を伺うことができて、とても佳かったと思っている。

講義終了後には教授にご挨拶もできたことである。また奇遇にも講演会に参加された愛知のM輪氏、三重のT中氏と講演会終了後にホテルのバーにて、ソフトドリンクだけで一時間あまりにわたって歓談できたのも嬉しいひとときだった。

清水教授の講演内容は、地元経営者向けのお話であるから、不動産とか鑑定評価とは直接にリンクしないけれど、転換期とか過渡期と云われて久しい鑑定業界にとっても有益な内容であろうと考えさせられた。

『講演会テーマ』 生き残る会社の条件
-ダウンサイジング社会におけるリスクマネジメント-

講義内容は、清水教授がレジュメを氏のサイトに公開されているから、そちらをご覧いただきたいが、印象に残った一節がある。
それは【There are known knowns. These are things we know that we know.
There are known unknowns.  That is to say, there are things that we know we don’t know. But there are also unknown unknowns.
There are things we don’t know we don’t know.】である。 拙い訳を書いても仕方なかろうが、「何も知らないということを知らない」とでも訳そうか。将来のリスクなんて云うものは“想定外”なのだと理解することこそがリスクマネージメントの本質なのだとでも意訳することもできよう。

実は、清水教授は6/6,2014に「不動産市場の展望と不動産鑑定士の役割-Winner or Loser-」と題して、公益社団法人千葉県不動産鑑定士協会主催の実務研修会(千葉市・ホテルプラザ菜の花)でも講演される。 こちらは演題のとおり鑑定士向けの講演会であるが、既に公開されている講演レジュメを読むと判ることであるが、「ダウンサイジング社会における(人口減少、少子高齢化、地方の過疎化進行と並んで都会における過疎高齢化も深刻である)不動産と不動産鑑定のあり方将来予測という観点から共通する事柄がとても多いのである。 ぜひとも両レジュメを併読されることをお勧めしたい。

レジュメは総て目を通すべきと考えますが、茫猿が注目する標題の一部を挙げてみます。
《ダウンサイジング社会におけるリスクマネジメント》より
3頁 “企業にとってのリスクとは?”
4頁 “投資市場に学ぶダウンサイジング社会におけるリスクマネジメント”
22頁 “責任投資原則(PRI) : Principles for Responsible”
36頁 “社会的介在価値の最大化を目指す”

《不動産市場の展望と不動産鑑定士の役割》より
12頁 《予測可能な世界と予測不可能な世界》
13頁 《予測可能な世界: 人口の変化と高齢化》
16頁 《関東地方2020年・住宅地価格推計map》
20頁 《千葉県の将来像1》
27頁 《鑑定に対する批判は世界的問題》
28頁 《国際的論点: 不動産鑑定評価システムが抱える構造的問題》
34頁 《今,不動産鑑定士(業者)・協会がやるべきこと》
35頁 《公示地価の社会的意義》
40頁 《不動産鑑定評価システムが抱える構造的問題》
42頁 《本来目指したモニタリングの目的》
52頁 《今,不動産鑑定士は何をすべきか?》

M輪、T中両氏とも話題にしたことであるが、地価公示や鑑定評価の従来からの枠を墨守するばかりでは鑑定業界の将来展望は開けないのであろう。 “予期できぬことに備える力”を蓄えることが求められているのであろうし、鑑定評価というよりは不動産の専門家としての鑑定士が、“社会介在価値”をいかに高めてゆけるかが課題なのであろう。

数年ぶりに伺った清水教授の講義は、以前にも増して切り口鋭い内容だった。一時間半もの長時間、リタイアして久しい茫猿が、受講に耐えられるだろうかと心配していたが、眠気が兆すこともなく、あっという間の一時間半だった。貴重な機会をお知らせいただいた清水教授に感謝申し上げるとともに、講演後に帰宅を遅らせて歓談いただいたM輪、T中両氏にもお礼申し上げます。

大垣信用金庫では、08/21(木)15:30 より大垣フォーラムホテルにて「藻谷浩介氏:地域再生の経営戦略」と題する公開講演会を予定されている。里山資本主義で著名な藻谷氏の講演であるから、こちらも聴講したいと考えている。

講演会終了後に教授にご挨拶したおりに、撮っていただいた得難いツーショットである。IMG_0436

 

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