昨夜放送のNHK−BSの“里山資本主義”が日本を変える!を見ていて考えた。
放送では一昨年に岡山県不動産鑑定士協会との合同研修で訪問した真庭市の、林業を基幹に据えたプロジェクトも紹介されており懐かしく見た。「バイオマスタウン真庭」
真庭市でも感じたことであるが、放送を見ていても感じさせられたことがある。
全国の幾つかの中山間地や過疎地、離島で繰り広げられている地域振興や、村興し島興しの試みは数多い。しかしその実情は、成功例よりも中頓挫した例や低迷する事例の方が多いようである。 プロジェクト自体が過大だったり実情に合わない例もあるだろうが、最も大きな障害は「ヒト」の問題であるようだ。
番組に寄せられた意見にも、ヒトの問題を指摘するものが多いようである。この種のプロジェクトにかぎらず、なにかを始めようとする時に云われることは「「ヒト(人材)、モノ(資源)、カネ(資金)」である。モノは地域にあるもの、眠っているものを活用しようとするのであり、カネは潤沢にあるにこしたことはないが、プロジェクトが廻りだせばカネはついてくるものでもある。
問題は、存在すら意識されていないモノ(資源)の存在を発掘し知らしめるヒト(人材)であり、カネ(資金)を工面するヒトの存在であり、モノとカネとそして人をコーディネートするヒトの存在であろうと思われる。
よく言われることに「町興しに必要なのは、ヨソ者、ワカ者、バカ者」と云う言葉がある。地元の人たちが気づいていないモノ(資源)の存在を気づかせ発掘するのはヨソ者であり、ヨソ者が新しい手法や知恵を持ち込むのである。 そして若者の恐れを知らない馬力や活力、バカ者と言われても倦まずに続けてゆく一途さが、プロジェクトを成功に導くのであろう。
Uターン組はともかくとして、Iターン組が真っ先に直面するのは先住する村人の排他性であり頑固さであるとよく言われる。 このことは別の側面から眺めれば、ヨソ者に蹂躙されてきた過去が彼らを臆病にし警戒もさせるのであろう。また、自らが持っているモノ(資源)に気づいていないからこそ保守的にもなるのであろう。 時にしてヨソ者が持ち込む波風もハタ迷惑に思えるのであろう。
それらを打破してゆくヨソ者の愚直なまでの一途さが求められているし、大事にしてゆかねばならないと考える。言うは易く行うに難いことではあるけれど、各地の成功例を知れば、やはりヒトの存在なのであろうと思わされる。
内田樹氏が指摘する「日本がもつ眼に見えないストック「漠然たる不安を打ち払うには」 内田樹《2014.05.27》」の活用に期待したいのである。
陋屋では水無月に入ってサツキが花盛りであるが、干天続きで色あせ気味である。背後に白く見える花は、まだ落花しない山法師である。今日の農作業は、ホウレンソウやタマネギのあとにサツマイモを定植する予定。
鄙の菜苑は夏野菜が稔り始めている。胡瓜、茄子、万願寺は収穫をはじめている。トマトが色づくのも近いことである。ジャガイモもぼちぼち掘りあげねばならない。 昨日も今日も暑い日が続いているから、二時間も畑にいると汗だくになり少しボオーッとしてくる。畑のなかで倒れて一週間も誰にも気づかれないとシャレにもならないから、早め早めに切り上げて旨い井戸水を飲むようにしている。
夏が到来したことから、陋屋の西陽よけにスダレをかけた。昨年まで十年近く使ってきたスダレが痛んでしまったので買い求めたのだが、最初はヨシズを買ってしまい、しかも輸入物だったからとても違和感を感じていた。 あらためてホームセンターで尋ねるとスダレは別のコーナーにあり価格も倍以上である。この歳になってもヨシズとスダレの違いを判っていないお粗末さということである。 スダレをかけて井戸水を使うスプリンクラーを回せば、吹き抜ける風も涼やかである。
《ヨシズとスダレ》
一般に「スダレ」は、軒につるして使い、「ヨシズ」は「スダレ」よりも大きく、立てかけて使う。海の家などで見かけるのが「ヨシズ」。
基本的に「スダレ」は細く割った竹を利用しているのに対し、「ヨシズ」は葦(あし)を使う。昔は川辺の葦を利用していたが、国内の葦の生産量は極端に少なくなり、その大半が中国からの輸入に頼っているとのこと。
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