はや2年です

 従前のいわばありきたりのホームページを、全面改定して『鄙からの
発信』を立ち上げましたのが 01/20/1999 です。基本的にこのスタイル
のWebになって二年が経過しました。
 そして、その時点では夢想だにしていなかった「鑑定協会会長選挙出
馬」を決意したのが 99年の3月はじめでした。
はや二年が過ぎ、購読者数ゼロから始まりましたメールマガジンも、最
近では400名を超える読者に支えられております。
 二年間には、多くのことがございました。選挙の結果もさることなが
ら、まだ結論がでていない公取委調査事件は特筆すべきことでしょうし、
鑑定評価の在り方も変化の胎動を顕わにしつつあるように思います。
 また、公取委調査は調査として、岐阜県士協会でも平成一五年固評評
価替えへの対応策検討を始める時期が近づいて参りました。
 そんななかで、ふと思い立って、当時の記事を読み返してみました
古くなっているかと思いましたが、そんなに古くなっていない。
少なくとも茫猿の想いに変わりはないと感じました。
こういうWebの世界では禁じ手なのでしょうが、再掲致します。
初めてお読みいただく方もおみえでしょうし、改めて読み直して頂ける
方もおみえかと存じます。茫猿の我が儘と、ご容赦下さい。
 【勝てっこない (04/06/1999)抜粋再掲】
 鑑定評価とその制度の曲がり角を実感する今こそ、誰かがノロシを上
げなければいけないのではないでしょうか。
マスコミに対して、所管庁及び関係各機関に対して、何よりも国民市民
に対して、私達不動産鑑定士の在り様、所信を伝えることが大切なので
はないでしょうか。
 同時に、我々も変わらなければなりません。過去の成功体験にしがみ
つくことなく、心情としては成功体験を振り捨てる気概をもって、自分
たちのこれからの在り様を問い直す時ではないでしょうか。
「今のままか」もしくは「変える努力を始めるか」の選択の時です。
 尊敬する「久野 収」氏の言葉を掲げます。
「少しでも理想に向かうことが我々の勝利であり、どんな敗北の中から
も民主主義完成の契機がある。どんなに敗北を重ねても負けない自分が
ここにいる。それが人間の勝利であり、それ以外の勝利を考えるように
なると組織や運動はもちろん、人間の堕落が始まる。」
 規制緩和の時代は、一面では資格者受難の時代であるとも云われます。
それは既得権を保持し続けようとするからであり、既得権にこだわるか
らであります。社会のニーズがない資格が延命できる訳もなく、社会の
ニーズに応えられない資格もまた同様でしょう。
いつもの蛇足です
 リゾート不況、三セク破綻が問われています。今週の日経ビジネスに
も全国各地のリゾート破綻が特集されています。一ヶ月ほど前の週間金
曜日には、岐阜県御岳山麓のスキーリゾートの環境破壊的現状がリポー
トされていました。
 各地で「ふるさと創生」に名を借りた、一村一品運動ならぬ、一村一
湯ブームが破綻するのもそう遠くないでしょう。地元福祉を目的にして
質素な設備投資に止まっていれば破綻はないでしょうが、観光客を当て
込んだ過大投資をすれば破綻は近いでしょう。
 数年前から、注目を浴びている大分県湯布院温泉は一日にしてならず
であり、湯布院は1970年頃以来、30年に及ぶ地元の人々の絶え間ない努
力の成果である。
それに対して、明らかな過大投資の宮崎シーガイア、借入金の償却を求
めた長崎ハウステンポス、破綻から立ち直りつつあると報道される北海
道のアルファリゾートトマム、或いは全国各地で乱立ともみえる「道の
駅」など、先行きの見通しは明るくないとみます。
 結局のところ、事業はモノ・カネ・ヒトというが、リゾートのように
自然資源を頼りにする事業は、モノとカネよりも最後はヒトなのではな
かろうか。
 湯布院に劣らないロケーション、優るアクセス条件をもっている観光
地は多いが、それが多くは金太郎飴的な観光地に成り下がっているのは、
結局のところヒトを得ないからではなかろうか。
 目線を10年先に、せめても5年先に据えられるヒトを得ないと云う
ことに尽きるような気がする。
 日本のリゾートが、リゾート法や補助金に頼り、団体客を優先し効率
を優先してきた結果が現状を招いているといえる。つまりは売上優先・
コスト優先という、供給者側の得手勝手な都合を優先した結果である。
 小言幸兵衛みたいでつまらないが、不動産鑑定も同じ事が言えるので
はなかろうか、単に鑑定士や依頼者の論理や都合を優先してきたという
反省は不要だろうか。社会のあるいは市民の視線を意識してこなかった
ツケを、これから払うのでなければ幸いである。
「蛇足の蛇足でしたか  _(._.)_ 」
 諫早干拓地の水門が話題になっています。面子などにこだわらずに、
とにもかくにも一度水門を開けるべきだと考えます。長良川河口堰の下
流上流側双方での水質悪化も話題になっています。こちらも、開けられ
ないほどにヘドロが溜まってしまう前に、一度水門を開けてみるべきで
はと思います。「蛇足の蛇足2でした」

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