はなぬすびと

【只管打座・・はなぬすびと・・03.04.16】
岐阜市内の桜は、あらかた葉桜になりました。
「年々歳々花あい似たり、年々歳々人同じからず」と言いますが、人が歳月を経て変わるように、花も去年と同じようでいて、やはり少しずつ変わってゆくようです。我が陋屋の桜たちも、去年と同じような花を咲かせる里桜もあれば、去年より見事な花をつける山桜もあります。この春は例年にも増してこぶしが見事に咲きました。

不動産鑑定士の多くは、今は地価調査の点検作業に勤しんでいます。毎年同じ地点で継続される調査ですが、町が変わり、道が変わり、下水が整備されると地価調査基準地の周辺状況が変わってまいりますから、年毎に点検作業を行って、変化の状況を調査し、地価調査基準地としてふさわしいかどうかを点検するのです。地価調査は毎年4月の点検作業に始まり、梅雨時から夏にかけて鑑定評価を行い、9月の下旬に公表されます。(地価調査については) http://tochi.mlit.go.jp/

茫猿も、このところ地価調査点検作業を行っています。岐阜県は南部の海抜ゼロメートル地域から北アルプスまで標高差が3000mあり、南北にも約150kmの距離がありますから、県内の気候は一様ではありません。

美濃の岐阜市内では初夏を思わせる葉桜でも、飛騨の高山ではやっと蕾ふくらむという様子ですし、合掌造りで著名な御母衣ダム湖畔の荘川桜は4月下旬にならないと開花しません。

今日(4/16)は、郡上郡和良村地内に設定されている基準地の点検に行ってまいりました。和良村は郡上踊りで有名な郡上八幡町のさらに山あいに位置する閑かな山村です。天候は快晴に恵まれ、長閑な山里の基準地を見てまわると、折しも桜は「染井吉野」が散り初め、山桜や枝垂れ桜は満開という至福の時を過ごしてきました。山里では梅も桃もこぶしの花もひとときに咲いており、農家の庭先では芝桜やチューリップが咲き競っていました。

もう桜が終わってしまった地域や、まだ蕾が堅い地域にお住まいの読者に茫猿が訪ねた桜をお届けします。和良川の土手の桜には、花の蜜を求めてヒヨドリが集まっていました。「はなぬすびと」には違いないのですが、花に嵐の例えあり、桜にヒヨドリ、彼等にも春の恵みを分けてあげるのも風流というものでしょう。

「たえて桜のなかりせば・・」と詠んだのは、在原業平。
「しづ心なく花の散るらむ・・」と詠んだのは、紀友則。
「願はくは花のしたにて・・・」と詠んだのは、西行法師でした。

茫猿にしてみれば、おらが春、おらが桜、でしょうか。
和良村・念興寺境内にある、京都円山公園から移植したという枝垂れ桜です。

念興寺については、こちらへどうぞ。
http://www.vill.wara.gifu.jp/wara/kankou1.html
和良川土手の桜にやってきたヒヨドリです。

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