Eco残暑&川端諸子

東海地方に梅雨明け宣言が出てから既に一週間、快晴の日は一日か二日で、その後は戻り梅雨のような天候で蒸し暑い日が続いている。 茫猿の住まいする鄙里は、緑多く樹間を抜けてゆく風もあるから、窓を開けておけばエアコンに頼る必要もない。 それでも残暑の時季になれば、西陽の差し込むジオラマの部屋の午後は耐え難くなる。 そこで、茫猿の残暑対策である。

対策その1は、商品名ガーデン・クーラーである。 この頃は都心によく見られる細かいミスト(霧)の噴霧である。 幸いなことに、鄙里は昨年、飲用も可能な井戸を設けたので、この冷水をミストシャワーとして噴霧することを始めた。 西陽を遮る簾をかけて、ミストの下にいるとヒンヤリした冷気が漂ってくる。 屋外作業に疲れた時に、この下で休めば汗もひいてゆく。 屋内に入ってくるミストが起こす秘やかな風も心地良いものである。  暑い時は蝶も涼みに集まるのか、それとも霧が好みなのか、やってきた揚羽蝶がさっきから動こうとしない。
そういえば、びわ湖会議で誰かが、びわ湖の蝶の羽ばたきは日本を変えると言っていた。 北京の蝶が起こすバタフライ効果をもじったものだが、この蝶の羽ばたきは何を起こすのだろうか。

もう一つの暑さ対策は自家製シャーベットである。 暑い時は冷たいものが欲しくなるが、市販のアイスクリームやシャーベットは糖分や脂肪分に添加物の多さが気になり、乱用は避けたい。 そこで自家製のシャーベットを作るのである。 主材料はプレーンヨーグルトである。 これに、バナナやリンゴなどの果物、あるいはパイナップルやマンゴなどのフルーツ缶詰とグラニュー糖を合わせてミキサーにかけ、パック容器に詰めて冷凍する。 凍ったところで、一口大にカットして冷凍保存しておくのである。 果実をふんだんに混ぜるから冷凍後のカットも難なくできるのである。 甘さ控えめで、少し酸味があり、ヨーグルトの常飲にもなるし、急な来客に差し出せば喜ばれる。 写真に写る黄色はパイナップル・シャーベット、薄赤色はバナナに茹で小豆を合わせたシャーベットである。

話変わって、鄙里にも田圃アートが出現している。 輪之内町本戸地区の輪中堤防を利用したアジサイ公園の近くに造られている。 古代米と、この地方特産米ハツシモを使って描かれている。絵柄はカワバタモロコである。 田圃アートは本戸地区営農組合が栽培している。

川端諸子(カワバタモロコ)は日本固有種で、かつての農村では何処でも見られた魚ですが、用水護岸のコンクリート化や生活排水の流入から、今や絶滅危惧種に指定されている淡水魚です。 体調50mm前後の小さな川魚ですが、夏の繁殖期にオスは金色に輝くという。 カワバタモロコの実物を見た記憶はないが、茫猿の廻りの用水路がコンクリート護岸化される以前(50年も前のこと)には用水の透明度が高く、川で泳いだものである。 フナやコイは当然のこと、ナマズ、ドジョウ、ハヤ、センパラ、モロコなどはありふれた魚であった。 今やブラックバスやブルーギルが全盛の澱んだ水路になっており、かつての小川は遠いものになっている。 それでも下水の普及とともに、僅かながら水の透明度が増しているような感じもする。

そのカワバタモロコの生息が岐阜県輪之内町内で確認されたことから、地元有志を中心にして保存活動が行われており、カワバタモロコを通じて農村環境の保全も図っている。 写真はカワバタモロコ保存の中核・大正池である。 写真の奥が田圃アート、右手には道路を挟んで輪中堤桜並木とアジサイ公園がある。 池の管理者は本戸5Hプロジェクトチームである。

 

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