潮目は変える(7/28追記)

潮目は変わるか」と題する記事を2015年6月10日 に掲載してから一ヶ月半が過ぎた。永田町を遠く離れた鄙里でも潮目は変わりつつあると感じている。マスコミの論調も東京新聞&中日新聞を筆頭に「WHY?集団的自衛権」に大きく舵を切ったと実感できる記事が多くなった。これから終戦の日が近づくに連れて、この傾向は益々増幅されてゆくのであろう。《終戦の日は事実としては敗戦の日なのであるが、心情として終戦日と呼称したいのであろうと理解する。歴史修正主義者であれば停戦日なのかもしれない。》

そんななかで、二つの出来事に注目したい。一つはSEALDsの活動であり、一つは駐日イラン大使の記者会見である。

イラン駐日大使は23日、日本記者クラブで記者会見し、安全保障関連法案の審議で安倍総理が例示するホルムズ海峡の機雷掃海について、イランが機雷敷設によりホルムズ海峡を封鎖する可能性を否定した。

イランは有数の原油輸出国であり、海峡を封鎖する必要がないこと、(2013.11)岸田外相とイラン外相が「ペルシャ湾航行の自由」を共同声明で確認しており、「日本との関係で航路の安全を確保することはイランの責務だ」と述べた。

イラン大使の論調はまだ穏やかなのであり、ホルムズ海峡機雷封鎖問題は立場を変えてみれば、その異様さが歴然とする。 つまりこういうことである。イラン政府が「津軽海峡でなくとも宗谷海峡や南西諸島周辺海域を日本が機雷封鎖する可能性に言及して、その機雷除去にイラン海軍が出向く。」と法案審議に関連してイラン国会で述べたら、日本政府並びに日本人はどんな反応をするのだろうかということである。

安倍総理は連日、ホルムズ海峡機雷封鎖と国会で連呼しているが、遠い日本の総理が目の前の海へ掃海艇船団という”一般的には軍事組織”を派遣します。 日本の平和と安全のために派遣しなければと、口煩く言っているのを聞かされる「イラン国民の心情や如何に」ということである。 軍事の前に外交ありきは国政並びに国際関係の鉄則である。にもかかわらず、相手国の神経を逆撫でする議論を国会で連日行う無神経さが理解できないのである。

そもそも、ホルムズ海峡の危機を言揚げするのであれば、曲がりなりにも選挙制度が機能し世襲専制君主のいない民主国家イランよりも《何故か米国と敵対する》、対岸側のオマーン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア《何故か米国と友好的である》のほうが長期的視点からは問題なのである。いずれも世襲制の専制君主を頂点にいただく部族王政国家なのであるが、原油収入の配分などで平穏を保っているに過ぎないのである。アラビアンナイトの長閑さに惑わされてはならないのである。

《7/28追記》参議院本会議審議で、安倍総理の答弁が変更された。ホルムズ海峡での戦時の機雷掃海は、特定の国が機雷を敷設することを想定していないと、政府答弁を変更した。安倍総理の迷走はまた深くなった。

若者の働きを見直している。 昨年末から活動を続けているSEALIDsがその動きを活発にし、拡散を続けている。iNetの時代にふさわしい、若者達のスマートで粘り強くそして説得力のある活動を続けている。 「頑張れ、頼りにしているぞ SEALDs」

サイトの告示によれば、SEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy – s)は、自由で民主的な日本を守るための、学生による緊急アクションである。ネットの時代にふさわしい若者のスマートな活動形態である。若者が自らの顔をさらし実名で主張を述べている。 これら勇気ある若者にまじって、90歳を超えた村山元総理や瀬戸内寂聴氏も熱く語っている。

SEALDsはネトウヨのデマゴギーなどは意に介さないと云うか打ち破ってゆくのであろうが、既成の秩序にしがみつくオジさんやオバさんたちに、体よく利用される可能性を唯一案じている。潮目が変われば、嵩にかかってくるのがマスコミと既成政党&政治屋さんたちだから。見守る私たちも、そこのところを注意深く観わけてゆこう。

SEALDsの主張
・私たちは、自由と民主主義に基づく政治を求めます。
・私たちは、立憲主義を尊重する政治を求めます。
・私たちは、持続可能で健全な成長と公正な分配によって、人々の生活の保障を実現する政治を求めます。
・私たちは、対話と協調に基づく平和的な外交・安全保障政策を求めます。

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11140338_378023085739591_6098402322638111381_nMartin Luther King, Jr. : Our lives begin to end the day we become silent about things that matter. 「問題になっていることに沈黙するようになったとき、我々の命は終わりに向かい始める」

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