四六時中眺めている我が茫々たる屋敷林であるが、光と樹々が織り成してくれる美しいコラボに出会える機会がたまにはある。霜月の末から色づき始める銀杏、欅、黄櫨、楓そしてメタセコイアなどであるが、先に色づけば先に落葉し、風も雨もあるから揃うことは無い。
それでも、師走に入れば楓の色づきは鮮やかとなり、楠や松杉の深緑、笹の青、濃淡様々な黄葉に紅葉が織り成す絵模様は、我が屋敷林ながら物言わぬ樹々の巧まざるわざの見事さよと感じ入る。そこへ雲間から射し込む朝陽が、一瞬の輝きと云うか照り映えを見せてくれるときに、しばし見入るのみである。
あと数日もすれば、屋敷林の深き場所の楓もさらに彩りを濃くするであろうから、その頃に射し込む木洩れ西陽に映える紅葉が楽しみである。紅葉の深まりと初冬の晴れ間とが折り合いをつけて出会ってくれるかどうかは、歳々にあてなど無い変幻でもある。
伊吹山は初冠雪しているはずであるが、今朝も西空の雲は低く厚く垂れ込んであり山容を望むことはできない。
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