琴奨菊、横綱三連破《01.24追記》

2016年初場所十二日目、大関琴奨菊が横綱鶴龍、白鵬、日馬富士を三連破して十二戦全勝を守り初優勝に大きく近づいた。2006年の大関栃東以来、十年間も日本人力士の優勝が無いから、十年振りの日本人力士優勝にも一歩近づいた。横綱三連破は91年の大関霧島以来で《旭富士・大乃国・北勝海》、このとき霧島は初優勝している。

琴奨菊の残り三日間の対戦相手は、前頭豊ノ島、関脇栃煌山、千秋楽大関豪栄道である。今場所は既に負け越した豪栄道をはじめ、いずれも琴奨菊が優位と思われるが、横綱相手ではなく下位だから勝って当然だと云えるわけでもなく、それほど平坦な三日間でもなかろう。

考えてみれば、角番五回、度重なる怪我を克服してつかんだチャンスである。千載一遇の機会をつかみ取ってほしいと思うし、テレビ画面から見る今場所の琴奨菊は一皮むけたというよりも「大きく化けた」ようにも見えるのである。

琴奨菊の前師匠・琴桜も、何度も角番を繰り返し32歳で横綱に昇進した遅咲き横綱であり苦労人だったと記憶する。遅咲き琴奨菊に大きな花を咲かせてほしいものである。

”琴”つながりで思い出すのは、横綱栃錦のよきライバルで「内掛け」を得意ワザとした大関琴ヶ浜のことである。家にはテレビの無い時代にラジオの相撲放送から流れてくる「ウチガケエー 内掛け一閃」という声を思い出す。《1955年前後の頃》

畑の紅梅越しに白い伊吹を眺める。雲一つない晴天だけど伊吹オロシが肌に差す。年末年始は長男親子が滞在していた。昨夜は近況報告に訪れていた次男が島へ戻って行った。正月も小正月も終わった2016年鄙里の朝である。20160122ume&ibuki

《追記 2016.01.22 17:46 》
残り三番は、やはり簡単ではなかった。琴奨菊は、豊ノ島のとったりに敗れる。一敗が白鵬、琴奨菊、二敗が日馬富士、豊ノ島となり賜杯の行方は混沌。

《追記 2016.01.23 17:46 》
十四日目、豊ノ島は勝ち二敗のまま、琴奨菊も勝ち一敗を守る。日馬富士は敗れて脱落、白鵬は敗れたが二敗で残り、再び琴奨菊がリードする三者の優勝争いは千秋楽へ。

《追記 2016.01.24 10:20 》
今朝夜明け前の西空は冴え冴えとしていた。空に雲なく北風寒いなかに十三夜の月が屋根瓦を照らしていた。この季節の冷厳ともいえる月光がとても好きなのである。《04:20》20140124tuki

日が昇れば、北風は裸木を大きく揺らしている。この冬一番の寒波のなか、室内でも零度を少し上廻るくらいである。伊吹は白さを増して輝いている。《10:10》20160124ibuki

寒さは厳しくなったけれど、寒風のなかに白梅が一輪、二輪と咲き始めた。梅一輪ほどの暖かさが日ざしには感じられる。20160124ume

寒いなか野良に出てゆく用もないから、正月に録画しておいた「Murder on the Orient Express《1974年製作》」をカウチポテト状態で観ている。リチャード・ウィドマーク、ショーン・コネリー、ローレン・バコール、イングリッド・バーグマンなど配役も豪華だが、主役は何と云っても「豪華な大陸横断列車」である。度々画面を停めてかつての欧州大陸国際列車を楽しんでいる。積み込まれる贅沢な食材から当時の食堂車の豪華さがしのばれる。

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《追記 2016.01.24 17:13 》
大相撲一月場所、琴奨菊が大関豪栄道に勝って初優勝を決めた。32歳で昇進した師匠の遅咲き琴桜や、31歳で昇進し”おしん横綱”と呼ばれた隆の里にならって横綱を目指してほしいものである。琴奨菊おめでとう。

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