十一月の末に止揚学園からクリスマス祝会の案内状が届いた。参加するか否かしばらく迷ったけれど出席の返事を出しておき、昨日《2016/12/25》出席してきた。なぜ迷ったのかといえば、学園のクリスマス祝会はクリスマス礼拝から始まるのであり、その開始時刻は午前09:30であり、案内状にも遅れないようにと注意書きが書かれている。午前09:30までに東近江市の止揚学園に着くためには、朝八時には家を出ないと遅刻せずに済む保証はないのである。
それでも出席しようと考えたのは、2010年のクリスマス会に出席して以来参加しておらず、そのあいだに学園のリーダーが世代交替し、2015/07/15よりは福井達雨先生と面条先生が引退されて福井生《いくる》氏を園長とする新しい体制に替わったことにある。
お二人は引退と同時に文字通り隠退されて、学園にはお顔を出されなくなった。スタッフの皆さんに伺えばお元気にお過ごしとのことではあるが、昨年来お二人にはお目にかかれないのである。元々講演などでお忙しくお過ごしのお二人であり、学園を訪れれば必ずお二人にお会いできるということも無く、この数年お二人にはお会いしていない。
達雨先生と面条先生お二人にお会いしたのは、2013/10/14開催の学園創立五十周年記念式典がたぶん最後であったように記憶する。それも誰彼と忙しく挨拶を交わされているお二人に会釈させていただいただけである。
長い学園とのお付き合いの中心にお二人が存在したことは紛れもないことであり、お二人との会話が学園を訪れる茫猿の大きな楽しみだったのである。クリスマス祝会は学園にとって年間の最大行事であり、ゆく年を送り新しい年を迎える大事な行事なのである。だから、お二人も顔を出されるのではと淡く期待したのであるが、お二人のお顔を見ることは叶わなかった。お二人は実に見事にきっぱりと隠退されたのである。
さてクリスマス祝会は09:30の礼拝から始まる。賛美歌の演奏、聖書の朗読、祝祷、そして福井生園長の講話、賛美歌と続くのである。これらの次第は学園のホームページにも掲載されるであろうから、ここでは述べない。《園長先生の講話についてメモもとっていないから不確かな覚え書きを記すのは避ける。》
写真は左から、受付で配られた祝会次第、玄関先のお迎え、そして緒方ホール前のロビーに置かれたトナカイもX’mas装飾されている。 《※本稿の写真はすべてサムネイルだから、クリックすれば拡大する。》 止揚日記によれば、これらのX’mas装飾は毎日少しずつ増やしてきたのであり、装飾が増える毎にクリスマス会が近づいてきたのだと、園生の皆が楽しみにしてきたそうである。
続いて、止揚学園クリスマス会の毎年の目玉である園生による劇が始まる。今年の演目は「ハネ子とネブ太郎」という題である。双子のハネ子とネブ太郎が様々あって、互いの愛おしさに気づき仲良く暮らすようになるというあらすじである。 今年も東寺のお坊さんが飛び入りゲスト出演された。《写真右》
劇の大団円では、このテーマのもとになった「ねぶた」が舞台に登場し、園長の生(いくる)先生をはじめ皆が「はねと」になって踊りはねるのである。園生とスタッフと観客の皆が笑顔で手を叩きはね踊る賑やかな舞台が繰り広げられた。写真左は組み体操成功、写真中は登場した止揚ねぶた、写真右にはぎごちなくハネル生(いくる)園長。
この劇を学芸会や発表会と同じように見てはいけない。重度の知能障害を持ち、なかには車椅子で生活する園生たちが、練習を重ねて舞台に立ちスタッフの助けを借りながらではあるにしても、堂々と前を向き舞台に登場して覚えたセリフを言うのである。参会した多くの関係者の視線に見つめられスポットライトを浴びながら、踊り歌うのである。そこには彼等彼女たちの喜びが溢れている。跳ねる舞台と応援する観客席が一体となって劇は進んでゆくのである。
このあと、会場を緒方ホールから食堂へ移して楽しい食事会である。献立はローストチキン、笹寿し、ピロシキ、パイナップルバスケット、ケーキ etc。ビールもノンアルコールビールも用意されていた。昔はミニ缶ビールが有料で提供されていたのに、今や日本酒まで並ぶ様変わりである。
美味しい食事を終えたら、会場を再び二階の緒方ホールへ移していよいよサンタさんの登場である。舞台中央に置かれた煙突から登場するサンタさんのステップが少し怪しいのもご愛嬌である。サンタさんからX’masプレゼントを受け取って破顔する皆の顔が嬉しい。内気でシャイな当代のサンタさんが、はじけるようにステップを踏んだ先代の達雨サンタさんのようになるには、今暫く経験を重ねる必要があるのかもしれない。
最後は福井園長以下学園スタッフ総出で、学園のテーマ曲でもある「子供の笑顔を消さないで」の大合唱である。終了は午後三時、たちまち過ぎた楽しい時間だった。ここまで準備をすすめ、当日も舞台で舞台裏で舞台袖で右に左に大奮闘されたスタッフの皆さんお疲れさまでした。
食事のあと、参会されたお客様たちの自己紹介をかねたご挨拶の中で、多くのお客様が福井生園長のご尽力に感謝されていた。なかには、「この一年随分と成長されました」などと遠慮のない挨拶をされる方もいた。それを笑顔で受ける生(いくる)園長も笑い声で見守る皆さんも、総てが止揚学園なのである。
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