『れいわ新選組』と不条理

 参議院選挙が終わって10日が過ぎた。『れいわ新選組』と山本太郎氏がマスコミ、特にテレビで取り上げられることが多くなった。その主な視点は『れいわ新選組』候補者それぞれが当事者として掲げるシングルイシューについて、さらに特定枠で当選した「ALS患者と重度障害者」二名が参議院に登壇することにより、「健常者の視点しか持たなかった国会の設営が、改革を迫らる」という点に絞られる。特に参議院議場改装工事が絵柄という点からも話題となっている。

 物理的な国会改革はそれなりに可能なことだろう。しかし審議そのものを少数弱者に合わせて改革するということは、かなり難しかろうと予想される。質問時間配分、質疑応答への配慮(心くばり)が求められるが、前例踏襲主義を言い立てるであろう多数派が、どんな主張をするのか心して見ていたい。

 船後、木村両氏は「重度訪問介護」を受けている。規定では「通勤、経済活動にかかる支援」は雇用主が負担するべきだとの考えから公的補助の対象外である。歳費を受け取る議員活動は経済活動と見なされ公的補助の対象外である。この訪問介護費を当面は参議院が負担するという。

 既にネットでは、この重度訪問介護を要する議員活動について、「健常者議員が代弁すれば良いではないか」とか「参議院議員だけを公的補助の対象とするのは議員特権ではないか」などの批判が幾つも見られる。これらの顛末については、雨宮処凛氏が詳しく伝えている。「存在するだけ」で国会を、この国を変えていく、れいわ新選組の新人議員。(雨宮処凛) 《この批判、既成政党からも起きていることに驚く。》

 少数者弱者に心優しい配慮する国会運営を行ってゆくということは、多数者や強者が一歩あるいは二歩も三歩も譲ることを意味する。それは安倍総理の言う「決められる政治」、「民主主義は多数決」と言う考え方とは対極に位置する。難病患者や重度障害者に特定枠を用意すること自体が多数決原理とは真逆である。効率ばかりを優先する昨今流行のシステムとは真逆に位置する弱者少数者優先原理なのである。これは多数派にとっては、ある種の不条理でもあろう。

 この『れいわ新選組』を貫いている原理・原則について安冨歩氏は、選挙も終わった07/24に彼の見解をまとめてwebでこのように述べている。 
内側から見た「れいわ新選組」(安冨 歩)》

 安冨歩氏はこういう。「れいわ新選組」は、この無縁の原理を体現しており、山本太郎氏や私を含めた候補者は、無縁者の集まりであった。立場とか有縁と云うものを重視する考え方からすれば、無縁者の原理すら無い集まりは、有縁者からすれば不条理そのものであろう。

 れいわ新選組は、左派ポピュリスト政党、などではない。それはそもそも「政党」ではなく、「左派」でもなく、「ポピュリスト」でもない。れいわ新選組は、無縁者の集まりであり、その無縁のエネルギーが、ガチガチに固まって人間を閉塞させている有縁の世界に、風穴を開けつつある。人々の支持を集めているのは、その風穴から、空気が吹き込んでおり、息ができるようになったからだ、と安冨歩氏は考えている。

 既成の政治家たちを”腐れ縁”につながれ、しがらみや組織の論理にがんじがらみに絡め取られた人たちと云い。『れいわ新選組』は無縁者の集まりであり、野良猫の集団であると喝破するのは想田和弘氏である。
れいわ新選組は野良猫の集団である(想田和弘)》

 候補者一人一人が掲げる”イシュー(政策論点または政策課題)”の渦中にいる当事者であり、かつて囚われていた”シガラミ”や”組織の論理”あるいは”かつてがんじがらめにされていた立場の論理”から解放されている、いわば無縁者の集団であることに”大きな意味”が認められる。それは有縁者、多数者、立場固持者からすれば”不条理”そのものと受取られかね無い。山本太郎氏風に言えば「永田町の空気を読まない」ガチンコ政策集団の”不条理”の今後が注目である。

当選後に詠まれた、船後靖彦氏の歌二首である。
党首落ち 当選の嬉々なかりけり 議員なれたは太郎の力
晩年の麻痺の身体つかうこと 党の隆盛なることと決め

せやろがいおじさんが乙武洋匡さんとコラボして、お二人を支持してこの問題に痛烈に反撃している。 ”赤フン”痛快である。
(link: https://youtu.be/caLesXp3-20) youtu.be/caLesXp3-20

それにしても『出る杭は打たれる』的に、山本太郎批判が雨後の筍のようにネットに出始めている。空気を読まない山本太郎は、既成のエスタブリッシュからすれば目障りでウザったいであろう。まさに有縁の立場固持者からすれば”不条理”そのものの無縁者なのであろう。

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