我輩は駅である。ジオラマ茫猿鉄道の基幹・明日開駅が我輩の名前である。我が明日開駅のあるじ茫猿はジオラマ制作が主な鉄道趣味であるが、乗り鉄道ファン(乗り鉄)でもある。撮り鉄道ファン(撮り鉄)ではないが、乗車路線の記録保全のために撮影はする。全国の路面電車を全て踏破することが2000年代の大きな目標であったが、前述の様にそれは2017年12月に達成された。
日本東西南北端の東根室駅、田平平戸駅、西大山駅、稚内駅の四駅訪問も2019年4月に達成された今は次の目標を探しつつ、このジオラマで孫たちと遊ぶことが当面の目標なのである。
さて、茫猿の鉄道歩きの多くは独りで乗車するけれど、息子たちが幼い頃は彼らとの一日行楽は近隣の鉄道に乗ることだった。出発駅などで息子たちそれぞれがお好みの駅弁を買って乗車する。養老鉄道、樽見鉄道、明知鉄道、近江鉄道、大井川鐵道、梅小路機関庫などなどで、鉄道以外の一日行楽を彼らと共にした記憶は少ない。
掲載する写真は、1985年頃に二人の息子と明知鉄道に遊んだ時のものである。撮影した場所は明智駅である。線路を歩かせるなど、まだまだ長閑な時代だった。幼年期から鉄道に親しんだ彼らは、長じてからも鉄分の濃い趣味人生を送っている。
鉄道博物館も、近場のJR東海が経営するリニア鉄道館をはじめ、JR西日本が経営する京都市梅小路の京都鉄道博物館、JR東日本が経営する鉄道博物館の三館いずれも訪れた経験がある。それぞれに特色があり優劣はつけ難いが茫猿の好みを言えば、扇形機関庫と転車台それにSLが動態保存されている京都鉄博は五感を刺激して楽しい。
名古屋港のリニア・鉄道館は今や懐かしくなった新幹線0系、100系からリニア試験車両、SL-C62などの実車39両が展示される様は圧巻である。東海道新幹線を運行するJR東海ならではである。
京都鉄道博物館は京都駅に近く、梅小路機関庫とSLが動態保存されていることに特色がある。扇形機関庫を出たSLが転車台を転回し、往復1kmを走る様は被写体としても面白い。また博物館屋上から京都駅方面を眺めると新幹線、東海道線、山陰線を行き交う列車が見えて飽きない。
梅小路では旧二條駅舎も見逃せないが、京都駅から徒歩で鉄博へ向かうと手前に隣接する梅小路公園を通り抜ける。梅小路公園にはかつて京都の北野を走っていたチンチン電車が動態保存されている。これも見逃せない。
大宮の鉄道博物館は万世橋前の旧交通博物館を大宮に移転リニューアルしたものであり、弁慶号機関車など歴史ある希少な保存車両に大きな特色がある。幼児に人気の230mのてっぱくラインもある。
三館いずれの鉄博もジオラマはスケールが大きく見応えがあるが、入場制限をされることが多く、雨降りの平日などを選ばないと、じっくりと楽しむことはできない。
【閑話休題】茫猿が学生時代のいつの頃だったか、今は亡き畏友中村君と山陰線の多分各駅停車に乗車した写真が一枚残されている。中村くんは家業を手伝うと云うよりも既に彼が主になって京都市三条商店街にあった紳士服店を切り回していた。だから当時から(1965年前後)、自家用のマツダ・ファミリアバンをほぼ専用に乗り回していた。
二人で何処かへ出掛けるといえば彼の車利用がほとんどだったのに、なぜかは記憶にないがJR山陰線を利用した。何処へ向かったのかも記憶が無い。山陰線だから二人の友人が住む鳥取だろうと思うのだが、訪れたと云う確かな記憶もない。写っているウヰスキーのポケット瓶と吸殻入れが懐かしい、この写真のファイルネームは”1966-sanin”とある。まだ若いイケメンの彼の姿が今はとてもまぶしい。
《追記》この一連の記事を作成中に私・明日開駅はリニューアルされた。主・茫猿はかつてのジオラマを飾っていた橋上駅舎を再利用したくて、さんざ考えた挙句にプラットフォームの延長工事に着手し、延長フォームの上に橋上駅舎を設置したのである。駅舎への出入り口が道路に面していないこと、外回り線から内回り線への移動は地下通路想定などの違和感には目をつむる。日々前進し変化してゆく茫猿鉄道なのである。我輩の駅名由来になぞらうなら、今日は昨日の今日ならず、明日は今日の明日ならず、即ち日々新たなりなのである。そうそう、GS屋上の広告フィギュアには、孫妹娘が大好きなアンパンマンが登場した。準備は粛々と整いつつあるけれど、孫たちのやってくる気配は露ほども無い。
我輩は駅である ー6ー へ続く
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