此の春も灯りを上げて、
闇に白き花かげに縁者を偲ぶ。
手を上げて 此の世の友は 来たりけり(三橋敏雄)
様々の こと思い出す 桜かな(芭蕉)
此の桜 去年(こぞ)の桜も この桜(茫猿)
此の世の友は来たれど、彼の世の友は面影のみ、
年々、彼の世の友が増えてゆく哀しみ。
《2020.03.31 追記》小雨降るあいまを縫って鄙里の内を歩けば、其処彼処に椿の落花が敷きつめられている。見上げれば藪椿の赤、白、薄紅色が今を盛りと咲いている。八重の椿も白、赤、ピンクもある。桜も山桜、大島桜、染井吉野桜と随所に咲いている。御衣黄や枝垂が咲くのも近いだろう。シャガや利休梅、雪柳にチューリップも咲いている。花屋敷の風情が年毎に整いつつある。誰に見せることも見てくれることも無い、我一人の鄙花里とも云える景色設えである。今この景色をひとり楽しむ。
志村けん氏が肺炎で亡くなり、テレビはコロナ感染症ひと色である。ゆく春に何を思えと云うのかと、我と我が身に問う昼下がりである。ジオラマに向かうこともなく、唯々 無為のうちに時だけが過ぎてゆく。”刑事・鳴沢了”シリーズを読み始めて今は三巻目に入った。
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