真剣に鑑定を考える諸兄姉へ

 私のホームページでの展開論旨について、若手の会員を中心にして幾つかの御質問を頂いておりますので、まとめてお答えします。先ず言い訳です。全ての質問に共通するのですが、Web上では長い文章が嫌われるので、掲載量を短くしています。結果として十分に意を伝えることができずに、誤解もしくは舌足らず或いは隔靴掻痒の感があります。


 1.「収益価格偏重批判」への御批判について収益価格なかんずく現在マスコミを中心にしてもて囃されるDCFについては、斯界の権威ともお話ししたことがございますが。手法の限界があると思います。
 利回り査定がそうでしょうし、賃料と経費予測がそうでしょうし、売却価格がそうでしょう。
 私が申し上げたいのは、収益価格にあらずんば評価にあらずという昨今のマスコミ論調に異議を唱えるのです。米国においてDCF法が重視されるに至った経緯は今の日本と同様なのでしょうが、だからといって、DCF絶対とかDCF無謬主義には組みできないのです。収益価格の特性と限界を鑑定協会は説明すべきと言っているのです。同様のことは比準価格にも云えると思います。
 同時に、10年前、5年前と異なり、データの整備が進み、パソコンに始まるツールの進化がある今日では、10年前と同じ手法を金科玉条とすることの可笑しさを問題にしているのです。大量データを駆使した解析ツールを開発すべきと考えるのです。これからの評価は単に正常価格を求めるに止まらず、非流動性リスク、経済変動リスク、個別不動産ビジネスリスクに応えてゆく評価であらねばならないと考えます。
 2.提案事業の主体について
 提案する全ての事業は、単位会が主体となるべきと考えます。単位会の自主性により事業立ち上げの手法とその内容は、相当に異なってもよいと考えます。単位会の自主性と自己責任の問題だと考えます。本会は、それらを支援することに特化すべきと考えます。本会は外交と防衛に全力を傾注すべきでしょう。即ち、外交とは霞ヶ関及び虎ノ門並びにマスメデイアへの事業提案、事業説明、支援・補助陳情等に努力すべきでしょう。
 同時に防衛とは、全国単位会の共通課題の解決策を提示すべきです。必要に応じて共通基本ソフトの開発、事業遂行ノウハウの収集提示などが考えられます。尚、今回の選挙に際して提案する事業の全ては、岐阜会において実施済みもしくは着手済みの事業ばかりであり、実績を有しております。
 3.単位会の在り方、事例閲覧の在り方単位会の在り方については、必要に応じて単位会内部に支部や部会を設置すべきと考えます。数百人が単一組織に帰属するのは問題が多いと考えます。事業展開を考えても非能率非効率ではないでしょうか。一般企業と同一視はできませんが300人が一つの部署に所属した場合には、部・課・係或いはプロジェクトチームが幾つか組織されるのではないでしょうか。まして不動産はエリアマーケットの要素が高いのですから、エリア対応組織が考えられて当然と思います。
 事例閲覧については、現在のパートナーシップや閲覧体制には疑問をもっています。現在の体制に欠け落ちているのは、業務の発生場所と業務の現場が乖離することについて、円滑な解決策が示されていないことにあります。一方は地価公示等の事例資料の国土庁版権にこだわり、一方は偏狭な地域主義にこだわる。この状態が長く続いて、本来のパートナーシップ形成の努力が等閑にされてきました。エリア情報を正確に十分に入手するためのパートナーシップとはいかにあるべきかの視点から再構築する時期にあると考えます。
 単位会の高額入会金については、基本財産との関係やそれぞれの単位会の歴史の問題、更には単位会の事業内容との関連がありますから、軽々には論じられません。百万単位の入会金を徴収しても、単年度千万円単位の業務配分を行う単位会もあります。(公益法人として妥当か否かは別としまして)いずれにしましても、新規参入者の敷居は低くあるべきと考えます。仮に百万円単位の入会金に十分な根拠があるとしても、分割或いは延納の手続きが必要と考えます。同時に公益法人の設立から一歩進めて士法制定、士会設置の目標を掲げ続けるべきと考えます。
 言い足りません。この程度では誤解を増幅しそうです。私は「平等については、機会均等であるべきと考えます。単純な結果平等主義は否定する立場に立ちます。」同時に、新規参入を考えている方々に申し上げたい。新規参入=直ちに結果平等を主張されるのも結構ですが、新規参入者が歓迎されるためには如何にあるべきかを考えて下さい。
 地方で求めているのは(地方に限らず都会もそうでしょうし、多くの産業・企業も同様です)、新しい時代を開く若い新鮮な頭脳と行動力です。先輩鑑定士の中にただ単に割って入るだけの参入者が歓迎されないのは当然のことです。現状に不満を言いつのるだけの参入者などいりません。よどみに注入される清水を待っています。新鮮な刺激、コンピューター能力、インターンシップで培った全国的なヒューマンネットワークなどのパワーを身につけて下さい。

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