今年の三次試験

 今年も鑑定士三次試験が終わって、受験者の皆様は年余の険しい山路
(サンジ)ご苦労様でした。 後は、讃辞を待つのみですね。
三次が忘却の彼方の諸兄姉のために、某MLに公開された午前問題を再
録します。午後問は継続賃料だったそうです。
各問の末尾の戯れ言は、茫猿がフト感じたことです。
問題1
過去時点における鑑定評価について、
(1)評価の前提となる条件
(2)実務上の留意すべき事項
※評価を受託でき得る客観的条件の有無と云うことでしょうか。
それと、過去時点というのは、何ヶ月或いは何年以前をいうのでしょう
か。通常の時点修正の範疇か?、周辺環境の変化と差違が確認できるか?
そんなことでしょうか。
問題2
建物及びその敷地の基礎価格について
(1)基礎価格とは何か
(2)「建物及びその敷地の基礎価格」と「その自用の建物及びその敷地」
を求める場合との評価上の相違点
(3)中高層賃貸住宅及び店舗用ビルについて基礎価格を求めるにあたっ
ての留意事項
??一瞬、何のことか判らなかった。
賃料やら、貸家やら、借家権やら、時には底地などを試算する基礎と云
うことでしょうか。山より大きなイノシシはいないという意味で。
※建物及びその敷地>(敷地利用権付建物+底地+α)、現状有姿と最
有効使用ということもあるのでしょう。
(3)賃貸住宅と賃貸店舗とでは、定期借家の影響にふれなければならな
いが、基礎価格試算段階では関連があるのでしょうか。それとも証券化
まで踏み込むのでしょうか。特定価格の前段として?
問題3
旧借地法の適用を受ける借地権について、次の事項が鑑定評価に及ぼす
影響について
(1)地上権か賃借権か
(2)堅固の建物所有目的か、非堅固の建物所有目的か
(3)契約は書面か口頭か
!!(3)は面白い設問ですね。争いの有無を除けば、書面か口頭かは差
違が少ないと思うのですが。当事者の申立に差違がない場合に口頭か書面かで
評価に影響があるのでしょうか。
問題4
(1)袋地一般について建築上の制限に伴う減価がありますが、どういう場合か
(2)下図のような袋地について
1.標準的画地に比較してどのような減価要因があるか
2.減価率を算定根拠を示して求めなさい。 図省略。
※減価率算定は、路地面積、路地幅員、路地延長、有効部分面積、路地
と有効部分の相対的割合並びに建築指導要綱と云うことでしょうか。
建築制限は、確か東京都が一番厳しかったのではなかったでしょうか。
いつもの蛇足です
 お騒がせしております、岐阜県士協会公取委調査は継続中です。
結論が出る時期は不明です。岐阜士協会の面々はできれば年内、遅くと
も年初早々の結論を望んでいますが、どうなりますことやら。
 ただ、日本鑑定協会理事会や常務理事会あるいは公的評価委員会に少
しずつ動きが出てまいりました。動きの方向は、H12体制の維持に主眼
があるようです。それはそれで結構なのですが、できればというよりも、
是非とも「士協会が行い得ること」と「行ってはならないこと」を具体
的に且つ明確にして頂きたいと考えます。
 単位会の自主性に委ねるという考え方は、一見、単位会の自主性尊重
に見えて、単位会の判断のブレを招く素になります。
 いわゆる固評取纏包括契約(標準約款)に対する公取委の見解も明らか
にして頂き、確信をもって堂々とH15固評契約を結びたいものと願って
おります。
 自治体の要請・希望があれば、固評取纏包括契約を結んでもよいとい
う指示は、士協会からどこまでの働きかけが許されるのかが不明です。
他にも、契約内容及び仕様書内容については、
・士協会一括受取鑑定報酬から事務経費の控除が可能か否か。
・会員と士協会の分科会等に関して委託・委任契約は必要か不要か否か。
・士協会が負うところの業務完成保証への対応措置。
・表紙を含めた成果物の作成方法や納品方法。
・個別契約自治体への対応方法、特に分科会等開催について。
・個別契約自治体の業務完成保証を如何に扱うか、放置でよいのか。
等々、一つ一つの詰めを考えると、地雷原を歩くような気分になります。
官製談合に対する批判も高いようですし。
 羮に懲りて膾を吹いても仕方ないのですが、漏れてくる事情聴取の内
容からすれば、何ができて何ができないのか、深い霧の中という感じで
す。社会からも会員内部からも「取引規制」と指さされない契約及び業
務執行は奈辺にあるのでしょうか。

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