季節巡りて

【只管打座・・季節巡りて・・01.03.27】
 速くも2年という期間が過ぎて、桜便りとともにまた鑑定協会役員選挙の
季節が巡ってまいりました。少なからぬ方々から、何やかやのお話が聞こえ
てくるようにもなりました。
 お一人、お一人にお応えするのは何かと問題ですし、茫猿自身の考え方を
まとめておく必要もあると存じまして、今、考えておりますことをWebに
掲載します。
 まとめ始めましたら茫猿の考えは2年前と大差ないことに気付きました。
 茫猿の成長がないのか、取り巻く環境に変化が乏しいのか、どちらでしょ
うか。当初からの『鄙からの発信』読者にとっては「耳タコ」でしょうが、
新しい読者も増えていますから、我慢してください。 (*^_^*)
 【選挙をどのように考えるか】
 まず選挙というものを、どのように考えるのか、お話ししたいと思います。
よく聞かされる言葉に「鑑定協会には困ったモノだとか、会長や副会長や常
務理事や委員長は一体何をしているのだ」などという批判があります。
 一般社会においても、同じような話は溢れています。いわゆる日和見無党
派層に特にその傾向が強いようです。
 批判をすることは比較的容易いことですし、物陰で批判している分には資
金も手間もいりませんし、批判したことによるカウンター攻撃を喰らうこと
もありません。何も、「批判ばかりしていないで立候補したら」と、皆さん
全てに申し上げる意図はありませんが、正面から声を挙げることが大切だと
思います。
 一昨年の茫猿自身を含めて申し上げるのですが、候補者の全てが善で有る
わけもなく、パフォーマンスのみの方もおられるでしょう。
 しかし、皆様が正しく関心を示して、積極的に候補者に施策・所信を問い
ただし、最善は望み得なくても次善を求めようとし、意に叶う候補者を積極
的に支援してゆくことから、ことは始まるのではないでしょうか。
 それから、善い人というのはあんまりアテになりません。多少はアクがあ
って少し悪い人の方が、得てして働いてくれるものです。
 どの世界に限らず、選挙は現状を肯定するにしろ変化を求めるにしろ、そ
のための数少ない有効な機会であると考えます。
【選挙は勝たねばならぬか】
 どのような種類の選挙も、所信・施策を表明して是非を争う訳ですし、獲
得投票数という結果が示される訳ですから、選挙は勝敗にありとも云えます。
しかし、勝ち負けのみにこだわれば、勝てそうもない選挙には立候補しない
と云うことになってしまいます。
 無投票阻止も立派な立候補の名分でしょうし、勝てそうでなくとも所信を
訴えて、賛意を問い批判を受けると云うことも十分な名分ある行為と考えま
す。1票差でも勝ちは勝ちであり、負けは負けですが、投票者の意向がどの
ようであったかということは、以後の組織の在り方に大きく影響を与えるも
のと考えます。
 尊敬する「久野 収」氏の言葉をまたまた引用します。
「少しでも理想に向かうことが我々の勝利であり、どんな敗北の中からも民
主主義完成の契機がある。どんなに敗北を重ねても負けない自分がここにい
る。それが人間の勝利であり、それ以外の勝利を考えるようになると組織や
運動はもちろん人間の堕落が始まる。」
【望ましい候補者とは】
 二年前に、茫猿自身が候補者であっただけに、このテーマは扱い難いが、
とはいえ避けて通れないテーマでもある。手短にまとめてみよう。
1.ベテランか新人か
 年齢が全てではないし個人差があるものだが、少なくとも連続数期、齢云
十歳という方は、賛成できない。協会役員はボランテアの割には激務である。
特に会長・副会長・常務理事(多くは委員長兼務)は、真面目に職務を遂行し
ようとすれば、とても片手間仕事では収まらない。そんな激務を長期間継続
できること自体が信じ難い。
 「権不十年」とか「権力は堕落する」とか「麒麟も老いては・・・」とい
う片言節句もあります。また、新人は頼りないという話があるが、誰でも最
初は新人であったという真理も存在します。
2.政策目標
 よくある公約に「誠心誠意、鑑定協会の発展に尽くします。」とか「鑑定
士の社会的地位の向上並びに経済的安定に努力します。」というタグイの美
辞麗句というよりは手垢にまみれた空虚な文句を並べる方がいる。
 抽象論や空疎な言葉は要らないのであり、任期2年の間に実現に向かって
努力したい具体的目標が選挙民としては知りたいのである。それにあれもこ
れもと掲げてみたところで、限られた期間に限られた財政状況で取り組める
訳もない。実現したい項目は多くあっても、問題は候補者が考える優先順位
である。具体的政策目標とその優先順位が明らかでなければ選択のしようも
ない。 (今、巷で話題のノナカのイズミ争いも同じ事ですが)
3.投票用紙
 具体的に遭遇したことがないので、本当にあるとは信じ難いのだが、時折、
聞こえてくる話に、郵送投票用紙及び封筒の白紙委任ということがある。
論外な話だが、前回選挙でそのような行為がみられた候補者があるとすれば、
今回は願い下げにしたい。
 そのようなことを、まさか候補者本人が望んだわけでなく、取り巻きの忠
誠心が行わせたことであろうし、支持者集団の誰かが始めれば、支持者集団
内の功名心を競わせるモノとなり、獲得封筒数の多寡で己の能力誇示という
「猿山のボス争い」みたいな馬鹿馬鹿しい話なのでしょう。
 知り合いから頼まれれば、憂き世の義理もからんで、なかなかには断れな
いモノであるが、上手い断り方があるので伝授申し上げよう。
 『イヤー、すみません。一日遅かった。勿論、御推薦の○×さんを支持し
てますから、忘れない内にと思いまして、昨日早速に投票しました。』
 この断り文句もボチボチ使い古されているようではありますが、文句の付
けようがないだけに、今でも有効です。
 最後の話は風説の類だし、現実にあるとも思わないが、それとても選挙民
の品位のしからしめることだと自覚しましょう。国民はその品位に見合った
政治家しか得られないという公理があるように、鑑定協会会員もその品位・
識見・能力に見合った役員しか得られないものです。
 役員諸兄の有り様にもし問題有りとすれば、それはまさに会員諸兄の有り
様の鏡なのです。   m(_ _)m

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