ADSLとNAS

【茫猿遠吠・・ADSLとNAS・・02.10.27】
 新基準を取り巻くあれこれについて語るのはしばらく休止して、今回は茫猿の
Web&Lan環境について近況を語ります。
 ADSLについては、都市圏での普及率が高いので先刻ご承知の方も既に利用され
ている方も多いだろうと予想します。既にご利用の方にとっては何を今更でしょ
うが、まだご存じない方や利用されていない方のために、茫猿の ADSL体験を記事
にします。
『ADSLとは』
 ADSLはNTTのアナログ回線を利用しての高速データ伝送を可能にした技術のこと
です。また、受信、発信の速度の違いが「非対称(Asymmetric)」であることか
ら、 Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者回線)と呼ば
れる。云ってみれば一時は日本のWEB 環境を席巻したISDNに比較して、はるかに
速くはるかに手軽なデータ伝送技術である。にもかかわらず最近までNTTが消極的
であったのは、ISDNへの過剰投資が災いしたと云えよう。
 ISDN網を日本中に張り巡らそうとしたNTTの投資が、ADSL利用に邪魔となったと
云うことである。これはADSLの先駆者であった東京メタリック通信が奮闘むなし
く先行者利潤を獲得できなかったことに端的に現れている。
 ところが今は、ADSLと並んで多様なブロードバンド環境を普及させようと、
NTTBフレッツ(光ファイバー回線)や無線LANインターネット接続サービス(通
称ホットスポット)が都心部を中心にして急速に拡大しつつある。
 固定電話が携帯電話に駆逐されつつあるように、近い将来に光ファイバー回線
を除く有線ネットワークの相当部分は無線ネットワークに置き換えられるのでな
かろうか。でも今はまだADSLである。ADSLの月額料金は使い放題定額で3,000円前
後であり、ISDNより易い場合が多い。NTTの光ファイバーによるBフレッツはもっ
と速いが、利用可能地域も限定されるし利用環境にもまだまだ制約が多い。
http://www.ntt-west.co.jp/ipnet/ip/adsl/
 ADSLでは1本の電話回線で、インターネットと電話を同時に利用でき、ADSLの通
信速度は次第に高速化し、一部地域では最大12Mbpsになっています。
これならインターネットも楽々快適であり、インターネットからパソコンへの
(下り)受信で最大12Mbps、パソコンからインターネット(上り)への発信で最
大1Mbpsの高速アクセスを実現している。(ADSLコース 12Mの場合)
(注)ADSLはベストエフォート型のサービスで、表記速度は、ADSL区間の理想値
です。回線状況により実測値は変化します。接続速度を保証するものではありま
せん。またADSLは常時接続サービスだから、パソコンを起動すればスグにインター
ネットにつながりますが、同時に常時接続環境の維持は侵入者の危険もある。
ファイアウオールとまではゆかなくとも、ヴィールスソフトの常駐や最新ワクチ
ンのアップデートは必須であり、ADSLも常時接続でなく、不要時自動切断設定が
必要である。
(注)ベストエフォート型 [best effort]
 ネットワークにおいて、あるサービスのタイプが保証されない通信形態のこと。
ネットワーク網全体としては最善を尽くすように努力するが、エンド・ツゥ・エ
ンドで見ると、サービスの保証がなく、最悪の場合はまったくサービスが受けら
れないこともある。
 茫猿のADSLの契約最高(理論値・理想値)速度は8M環境である。
実際の利用速度は下りで3.0~3.5MBである。従来のISDN環境(最大64kbps)から
比較すれば 3000kbps/64kbps=47倍 の回線速度である。
実感として、50倍以上の高速が体験できる。
 その実体験は、気象衛星ひまわりの画像が瞬時に表示されることや、
国税局の路線価ページがサクサクとめくれることで判ります。
 路線価地図の閲覧は ISDN 環境ではページ展開の遅さに耐えられなかったが、
ADSL 環境では快適に目的の路線価ページに到達できる。
従来は毎年、路線価図を購入していたが、購入代金で年間のADSL料金が賄えると
すれば、 ADSL様々である。
『NASとは』
 NASとは、Network Attached Storage の略でLAN(Ethernet、FDDI等)に直接接
続されるストレージ(記憶装置・茫猿の場合は160GB)の総称です。NASはネット
ワークを介してファイルを共用できる独立したファイルサーバとして機能します。
ネットワーク上のクライアントからは従来のファイルサーバと同じようにアクセ
スすることができ、次のような特徴を持っています。
・ブラウザを使うことで、容易にシステム管理ができる
・ネットワーク上で異種OSサーバ・クライアントのデータ共有を簡単に実現する。
 クライアントマシンからブラウザーで設定・管理するからNAS用のモニターが不
要であるし、NAS自体も小型である。茫猿が購入したNASは 450mm× 420mm× 40mm
と薄い筐体である。ただし、冷却ファンの音が少し大きいので、デスクサイドに
設置するのは控えたい。
(注) Ethernet イーサネット
 Xerox社のPalo Alto Research Center(PARC)のRobert Metcalfeらによって発明
されたネットワークの媒体。オリジナルは伝送速度3Mbpsであったが、Xerox、
Intel,、DECによって制定されたEthernet 2.0の仕様では10Mbpsとなった。その後
ISOプロトコル階層を考慮して、IEEE802.3として規格が決められ現在に至っている。
 茫猿の現在のSOHO-LAN環境は次のようである。
・クライアントマシン・WIN3台、MAC2台
・NASサーバー1台(下記注)
以上の6台及びたまには携帯ノートPC1台がハブ及びルーターハブを介して
Ethernetで接続しています。
このLANにページプリンター、インクジェットプリンター、スキャナー、ADSL
モデムその他が接続しています。
 茫猿が購入したNASサーバーは「PowerVaultTM 715N」と云います。
PowerVault 715Nはコンパクトなボディに40GB IDE HDDを4基搭載し 160GB(他に320GB,
480GB仕様の販売あり)の容量を用意したデルのエントリNAS最新製品です。ネット
ワークに直接接続して、複数のクライアントPCから使える共有ストレージスペー
スを簡単に用意します。(茫猿自身が設定できた訳ではありませんが)
また、管理・設定はWebブラウザから行うのでGUIに優れていると云えます。
http://www.dell.com/jp/jp/gen/default.htm
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・・・・
 この記事を何処かで目にするであろう、茫猿の係累若者達は嘯くであろう。
「偉そうに云っているが、自分では1/3もわかっていないし、俺達の手を借りなけ
れば、ADSLの設定もNASの設定も出来ないくせに」と。
それでいいのである。
世の中は、購入する人がいて、設定する人がいて、利用する人なのだから。
あと残された願いは、自宅のADSL化もしくはBフレッツ化及びノートPCのエアー
H”を 128KB 化することでしょうか。
 デルの納品の速さにも驚きました。iNetから見積もり依頼して、機種を決
定し申し込んだ後に、代金を振り込みましたら、その3日後に配送されてきまし
た。業務用に利用するクライアント機を量販店で購入しようとしても、不要なソ
フトがやたらとプリインストールされている機種ばかりで使い勝手がとても悪い
から、茫猿の使用機種はMACを除けば係累若者達に依頼したオーダーメイド機
ばかりでしたが、これから更新するクライアント機はデルにしようかと考えてい
ます。
 ところで、デフレ不況に悩まされる日本にとって、見逃されている大きな福音
があるのではなかろうか。というのは、「狭い日本、そんなに急いで何処へ行く、
大きなお世話じゃ」ということである。
 何かにつけて密度の高い日本では、有線であれ無線であれ或いはその他のイン
フラ整備であっても、整備後の利用効率は非常に高いと云えるのではなかろうか。
同時にバーチャル環境は所詮バーチャルであり、決め手はフェイスツーフェイス
と云うことになれば、投下資本の有効利用率が高い上に、実体である人間の移動
コストも低いという、狭い日本の環境は使いようによってはとても有利に働くの
ではなかろうか。(本当に蛇足ですが!!)

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