足利銀行破綻

【只管打座・・足利銀行破綻・・03.11.30】
 資産額で地銀12位の足利銀行の破綻・一時国有化が決定したという。
しばらく前から週刊誌で取りざたされていたから、大きな驚きはないが、いよ
いよ地銀淘汰が始まったという感じはする。
 茫猿にとっても、最近は地場金融機関の厳しさを実際に味わわされている。
「金融庁検査の態度が変わりました、私どもも困っています」と、営業担当者
は云い、以前から継続する当座貸し付けにも、180度違う態度を見せるよう
になった。
 競売申立件数の全国的或いは全県的統計値をもたないが、茫猿の受託件数か
ら見る実感として、茫猿が受託する執行裁判所の今年の競売申立件数は史上最
大件数になるであろうと推定できる。
 朝の来ない夜はないと云い、夜明け前が一番暗いとも云う。
一番暗いのは、歳末であろうか、年度末であろうか、それともその先にあるの
だろうか。
 石原東京都政は、新銀行を創立するという。
オーバーバンキングが云われる状況で、新銀行を自治体が創立するにはするだ
けの理由があろうが、第二の郵便貯金を造るのでなければいいが。
 足利銀行破綻に思うのは、地価下落の底が見えないことである。
地価の下落はまだ底が見えない。特に地方圏では中心市街地及びその周囲の地
価下落というより、地価以前に用途の大幅な変化が著しい。
 商業性すなわち地価に見合った高度有効利用の方法を見失って久しいのであ
るし、それが回復する兆しが見えないのである。
 それでも年末年始の海外旅行は回復するようだし、クリスマスのシティホテ
ルは予約で満室のようである。
変わるものと変わらぬもの、変えるべきものと変えてはならないもの。
底流の変化を見逃してはならないと思うが、世の潮流の変化などに右顧左眄せ
ずに、茫猿流を貫くことが一番大事だし、大切にしなければいけないとも考え
る今日この頃である。
・・・・・・いつもの蛇足です・・・・・・
 大学の独立法人化に向けて、全国各地で大学管理不動産の鑑定評価が競争入
札発注されているが、茫猿の評価報酬常識からすればとんでもない価格破壊が
横行しているようである。評価対象不動産の量からすれば、そのような見積入
札額では現場確認と確定だけでも赤字になりそうに思えるのに。
 労働集約的側面を持つ鑑定評価業務に一桁違う落札額が横行するのは、鑑定
評価の自殺行為に思える。スタッフへのとんでもない労働強化につながってな
ければよいのだが。

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