怒りを通り越して呆れた

【茫猿遠吠:怒りを通り越して呆れた:05.01.14】
 日経サイトでみかけた呆れた記事である。
記事の概要は次の通りである。
『社会保険庁は12日、業務の合理化や外部委託を進めれば年間に約55億円を
節約でき、常勤職員約1万7000人の1割を削減できるとの調査結果を公表した。
社保庁業務には保険料から年間2000億円程度が使われており、
実行すれば大幅な経費削減ができる。』
 調査を委託した外部民間機関の調査報告とのことである。
 ふざけた記事である。記事がと云うより社保庁がふざけている。
外部に調査委託しなければ、自庁の経費削減調査もできないという
お粗末さに先ず呆れる。
 そして、55億円(経費全体の2.7%)が真実かどうかも疑わしい。
本当はもっと多額なのではなかろうか、二千億の5%でも百億になる。
かりに真実であったとしても、過去何年かにわたって、
毎年55億円を垂れ流してきた訳である。
ちなみにスマトラ沖地震に日本が約束した緊急支援額が260億円である。
社保庁無駄遣い5年分という訳なのである。
 記事はさらに保険料収納業務の機械化だとか、市区町村との連繋とか、
保有情報の活用とかにふれている。
週刊誌記事などによれば、社保庁では労働協定によって電算導入も
思うに委せない状態だという。
 この手の記事を見かけるたびに思うことは、
シンプル・イズ・ベストである。
大体が国民皆保険であれば、雇用者は源泉徴収されているのだから、
申告納税者についての保険料収納業務は全て市区町村に委託すれば
済むことではないのか。
収納業務のセクショナリズムが無駄な経費を増しているように思える。
 第一、老齢年金そのものをシンプルかつスリムにすべきである。
給付額は全国民65歳以上一律月額6万円、できれば10万円とする。
年金納付者は過去の納付額をデフレータ修正した額を加算するが、
月額30万円を上限とする。
国会議員も自治体首長も国家公務員も全て同じ計算方法を適用する。
さらに、給与所得であれ事業所得であれ利子配当所得であれ、
年金以外の収入があるものは、収入額に応じて減額し、
月額50万円以上の収入がある者には支給しない。
 専業主婦だとか、未加入者だとか、様々なケースがあろうが、
この際は、全てご破算にして、年金本来の趣旨である相互扶助の
大元に立ち返るベキであろう。
当然に、介護保険、生活保護、労災や障害者年金との整合性も計る。
それから住民基本番号と年金手帳番号と健康保険証番号と納税者番号の
整合性も計るべきであろう。
統一されるのが嫌いな方は、その不利益と引き換えに自由を得ればよい。
 老齢単身者の問題が生じるかもしれないが、それはグループホーム等の
別途の施策を考えればよいことである。
判りやすく、安心感が持てる年金制度に今なら変えられる。
破綻してからでは遅いのだ。
何よりもコンピュータシステム設計が不可能なような、
複雑な仕組み自体が壮大な無駄遣いといえるのである。
 もうひとつ腹立たしい記事に、定率減税廃止がある。
定率減税は恒久的減税として、累進課税率の逓減及び法人税率の軽減と
併せて実施されたはずである。
なのに、後者は頬被りである。高額所得者優遇以外の何物でもないが、
マスコミは知らん顔である。マスコミ人の高所得は有名であるし、
広告出稿社(企業並びに経済団体)への迎合姿勢も問われなければならない。
 NHKへの言論干渉、検閲紛い行為、そして自主規制という問題は、
ひとりNHKのみならず、商業マスコミ全体を覆っているのでなかろうか。
・・・・・・・・閑話休題・・・・・・
 さて、注文しておいた書籍が相次いで届けられている。
ざっと、書名を挙げておくと
・住宅喪失:島本滋子著:ちくま新書
・ブログ入門:増田真樹:角川書店
・屋根の日本史:原田多加司:中公新書
・金子みすず詩集:金子みすず:JULA出版
・博士の愛した数式:小川洋子:新潮社
・希望格差社会:山田昌弘:筑摩書房
・広い地球に地球人しか見あたらない50の理由:ステイーブン・ウエッブ・青土社
 他にも数冊あるが、公示作業もあらかた終わったことだし、
しばらくは読書三昧とするつもりである。
読後感やら書籍紹介はいずれのこととする。

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