姨捨の夜景

 特にこと改まった用が有った訳でもないし、野暮用がという訳でもないが、年末の一日を長野に遊んだ。温泉に浸かったわけでもないし雪見でもスキーでも善光寺参りでもない。身内が長野に居る年内に訪れたというだけのことである。


 L特急しなので昼過ぎに長野に着いて、焼き味噌でお酒を少々、辛大根オロシ蕎麦で昼食を済ませて、トレインギャラリーNAGANOに行く。鉄道模型といっても並ではない。HOゲージの堂々たるジオラマである。




 あまりにもスケールがでかいし、パソコンによるコントロールボードの出来も凄いから素人離れしているよと感心したものである。ただ、美しすぎるのが難であると拝見した。ジオラマ造りの醍醐味でもある「汚し:ヨゴシ」が全く施されていないのである。不思議だなと思いながら帰ってからネットで検索すると疑問が氷解した。
 素人制作ではなく、専門家の手に拠るのである。サモアリナンというところではあるが、少しがっかりしたというのが本音でもある。でもスケールと云いコレクションと云い、「鐵チャン」ならばオーナーになりたいと夢見るほどのものであろう。以下は制作に携わったらしい業者さんのサイトより引用する。
株式会社カツミが作るのは鉄道模型車両だけではありません。博物館のジオラマ(パノラマレイアウト)も作っています。例えば横川に設置された「碓氷峠鉄道文化むら」の「鉄道歴史ジオラマ」や長野の「トレインギャラリー」の「鉄道パノラマ」です。
 夕食は東京から合流した身内も交えて、「リンゴで育つという信州牛」をすき焼きで賞味する。美味しかったのではあるが、茫猿はこのところ体調イマイチ、気分イマサン状態であるから、マアマア旨かったと云うところか。
次いで、姨捨の夜景を見に行った。この寒空に何とまあー酔狂なというところか。世間にはこんな酔狂な浮世離れした一族も居ることよ。
夜景である。標高592m、氷点下の冴え冴えとした結構みごとな夜景であった。


 標識の右肩に輝いて見ゆるのが、師走の姨捨の月である。
   姨捨に 冴え観る尽きか 師走ゆく  『意味不明』

 その夜は茫猿も身内達も忘年会疲れで早寝をする。翌朝目覚めたら雪である。帰途が心配になり朝食も早々に「しなの」の乗客となる、マコト慌ただしい信濃のタビであった。

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