前号記事でセキュリテイ対策五原則(Live Meeting)追体験を紹介した。
茫猿はこのセミナーを自宅のノートで体験しながら考えた。カタカナ用語が多いのに少し閉口はするものの、これだけの内容があるセミナーを自宅で、無料で追体験できることに感謝するのである。
同時に、彼我の落差が大きいことにも慨嘆するのである。
彼我の落差とは何であるか、セミナーの講師はセキュリテイ対策について語っているが、それは全て一般企業に於けるセキュリテイ対策である。
茫猿がかねてから話題にし、現に新スキーム委・第二WGで取り組んでいるのは、公益法人「鑑定協会」並びに「士協会」におけるセキュリテイ対策なのである。
対策そのものに差異がある訳ではない、行っている業務に大きな差異がある訳ではない。組織体の在り方に大きな違いがあるのである。一般企業は一つの事業目的の元に雇用関係がある役員・従業員が集まるものであるから、そこに昇級とか昇進とか賞与といった「インセンティブ・目標達成のための刺激誘因」を用意するのは比較的容易である。
しかし鑑定協会は鑑定士の集合体であると同時に。鑑定事業者の集合体であり、一般企業類似のインセンティブを用意すること自体が困難である。
それだけではなく、セキュリテイ対策というものは結果が見えない業務なのである。それを行えば売上が増える、経費が減るといった目に見える効果を示すことがとても困難なのである。
にも関わらず、一旦事故が発生すれば、企業体であれ公益法人であれ存亡の危機を迎えるのである。
セミナーを追体験して、茫猿が痛切に感じたことは、「セキュリテイ対策実施のインセンティブ」を、何に求めたらよいのであろうかと云うことである。罰則の強化しか探し得ないとしたら、専門職業家団体としてあまりにも寂しいことである。
「セミナー追体験」
※セミナーが始まらない場合は、下記のURLをご利用下さい。
『http://stream.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0606/16/onlinesem0606.wmv』
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