つける薬無し

 公表時期をも50日近くも余して、H19地価公示の観測記事が週刊ダイヤモンド07.02.10号に掲載された。記事が云う「H19地価公示動向」なるペーパーの真偽は知る術もないが、「全国都道府県別データ」が記載されているとすれば限られた者しか知り得ない機密情報である。この枢要な情報をリークする馬鹿者がいるとすれば情け無い極みである。まさに付ける薬の無い馬鹿者である。


 これを単なる地価情報のリークと考えるならば大間違いである。今や地価公示に代表される「公表される地価情報」はRIETをはじめ様々な経済動向に影響を及ぼす存在なのであり、それが50日も前にリークされていたとすれば、流出先や利用方法によってはインサイダー取引に擬せられるものでもある。 また茫猿が何度も何度もセキュリテイとか安全管理措置を注意喚起しているのは、こういった自らが接触する情報の重要さも意味も理解できていないだけでなく、コンプライアンスに欠ける輩がたとえひとりでも居ることを懸念するからである。
 前述する「H18/11時点の都道府県別地価動向」なる資料の配付先範囲は限定されるものであり、限られた者しか入手し得ない資料であるとはいっても、リーク者の特定は困難であろう。それにしても守秘義務が課せられているデータを公示評価員やその関係者から入手してニュースソースとしていることを明らかにしながら「3月発表の公示地価データ入手!」とはダイヤモンド社もアザトイ見出しを付けるものだ。
 お馬鹿なリーク者のおかげで、地価公示業務がまたまた窮屈になったり、新スキームの拡充展開に少なからずマイナスの影響を及ぼすとなれば、営々と粛々と地価公示業務を遂行している全国の不動産鑑定士にとってはとても迷惑千万な話だ。
 週刊ダイヤモンド・07.02.10号 中吊広告(左から4行目 Close Up」
 3月発表の公示地価データ入手! 福岡は上昇率50%地点も登場

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